オレとお前が初めて会ったのは中学だったね。オレは気付かなかったけど入学して間もない頃からお前はずっとオレのコトを見てくれてたんだってね。
中2の夏祭り、一緒に行こうって誘ってくれたよね。すごく嬉しくてさ、待ち合わせした場所に約束より30分前に行ったなぁ。そしたらお前もいてさ。お互い落ち着いてらんない性格だったもんな。二人で出店いっぱい回ったよね。お前が半分くれたわたあめ、すごく甘かった。その後神社の境内に二人で花火見に行ったよね。初めて二人っきりになってドキドキしてさ、もう何話したらいいのかわかんなかくてさぁ。そしたらお前が「ずっと好きだした」ってさ。「好きでした」って言いたかったのにかんじゃったんだよね。それ聞いてつい笑っちゃってさぁ、お前は顔真っ赤だったよね。お前は真剣だったのに笑っちゃってゴメンな。
それからオレたちは付き合いだした。オレ頭悪かったからお前と同じ高校入る為に必死こいて勉強したよなぁ。数学ずっとお前ん家で教えてもらったよなぁ。そのお陰てオレは合格できたんだよ。あの時はありがとうな、ゆかり。
高校2年の夏休み、オレ達は体の関係を持った。お互いぎくしゃくしてて終わった後ドッと疲れてすぐ寝ちゃったの覚えてる。でもすごい満足感あったんだぁ。お前のコト本気で愛おしいと思った。
夏休み明けからお前はスクーターで学校通い始めたよな。学校から20㎞も離れた田舎だったからスクーターは便利だと思ってオレは賛成した。今考えるとスクーターを止めさせるべきだったのかもしれない。
冬の初めの頃、お前は道路が凍って滑りやすくなってきたから来週あたりからはバスにするって言ったよな。そしてその放課後、お前はスリップして車にはねられ、死んだ。それを知ったのは次の日の朝、担任の口からだった。オレは真っ白になった。いや、白というよりは黒だったろう。頭のなかが真っ黒に染まって怖くなった。お前と二度と話せないという逃れられない事実が、怖かった。オレ家に帰ってから死ぬほど泣いたんだぜ?人間ってこんなに涙出るのかってくらい泣いた。いっそのコトオレも死んじまおうとさえ思ったよ。
月日は流れてオレは今もう少しで20歳になろうとしている。ゆかり、お前と過ごした日々、楽しかった。今は死のうなんて思わない。お前そんなコトしても喜ばないもんな。お前の為にもオレ精一杯生きてくよ。ゆかり、いっぱい優しさをくれて、ありがとう。忘れないよ。