自分としては、別にヤリマンだとも思ってなくて。
ただ、集団行動が苦手な上、コミュ障持ちなので、流行っているお店や会社の人達と飲みに行ったりするのは、苦手って言うだけ。
自分でも特別、可愛いとかイケてるなんて思ってもいない。
だけど、男の人からすると、私は軽そうに見えるみたい。
自分でも硬い女だとも思っていない。
どちらかと言うと、緩い方だとは思ってる。
だからって、自分から誘ったり、誰でもいい訳でもない。
でも、もう今年に入って名前も定かじゃない男13人と寝た計算になる。
先週の金曜日。
私は、ふと住んでる街の飲み屋街から少し外れたスナックに入った。
お店の入口におっきいVictorの犬の置物に惹かれた。
お店の中は、寂れたスナック。
ママは、37だと言ってた。
「ママー!俺、ママと同い年だよー!同級生だぁー!」と1人の客が喜んでる。
もう1人、叫んでいた男の隣にもう少し、年上の様な落ち着いた感じの男性。
と、私。
この奇妙な4人で、互いに互いの好きな時間を潰していた。やがて、1台のタクシーが来ると、自称ママと同級生の男は店から消えた。
ママも「明日の仕込みと今日の計算しなきゃ。ゆっくりしてってね」と異世界に召喚されて行った。
わたしは、自称ママと同級生男の先輩らしき男と暫く飲んだ後、「今夜、付き合ってくれないか?」と誘われて近くのホテルに入った。
多分、こういう事を何度かしている男だと分かる。
とてもスマートだし、落ち着いていた。
セックスも良かった。
何が良かったかって??
セックスの後、私を寂しい気持ちにさせなかった。
最後まで、私は名乗らなかった。
男も聞かなかったから。
終わって、1時間くらいゆっくりした後、男は「家じゃないと休まらないんだ。良かったら来ないか?」と誘ってくれたけど、私は断った。
それならと、ここのホテルの代金をテーブルに置いて、出ていった。
こんな感じで、来るもの拒まず、去るもの追わずのわたし。
彼氏が欲しくない訳でもないけど、居たら居たで面倒くさくなっちゃう。
セックスすれば、男は優しいし、寂しさも消える。
欲求不満にもならない。
束縛される事もないし、嫉妬に狂った男に殴られ回される事もない。
上辺だと分かっていても、優しいセックスがあれば、私は生きていけると思っている。
あーぁ、長生きしたくない。
幸せにもなりたくない。
幸せになると、壊れるのが怖いから。
今のまま。
今のまま。
このまま、ずっと。
いつか、若いうちにぽっくり。