東京を離れ、帰郷した。
前カノにプロポーズして断られ、何もかもが嫌になった。
仕事だって、2年かけて得た成果を先輩に横取りされ、役立たずの烙印を押され、これ以上東京に留まる理由もない。
仕事は辞めてきたけど、俺が成し遂げた成果のバックアップファイルとバグの対処法は削除した上に、別のデータを上書きして復元不可にしてきたよ。
今、荷造りを8割方終えたところで、懐かしい写真を見つけた。
前カノの更に前、元カノと撮ったツーショット、もう、4年前の写真だ。
大学を出たばかりで、学生気分が抜けない頃の俺、若いなあ。
元カノとは、心のすれ違いでギクシャクしだして、少し距離を置こうなんて言ったまま、結局「さよなら」を言わないまま疎遠になった。
このまま帰郷したら、二度と会うこともないなと思ったら、元カノにお別れを言うべきだと思った。
ダメ元で元カノに帰郷する旨のラインを送った。
やっぱり連絡ないな…と思ってたら、翌日「一目会いたい」とラインが来た。
先週末、元カノに会ってきた。
3年近く会ってないだけで、ずいぶんと色っぽくなってた。
別れた頃は、純情そうだった元カノ、髪も長くなってて、性体験豊富そうなお姉さんになってた。
よく二人で行ってた居酒屋に入った。
「いつ、帰るの?」
「明後日、アパートを出て行くよ。」
「そう…もう、会えなくなるんだね。」
「ああ…俺たち、さよならしてないから、そこはちゃんとお別れしようと思って連絡したんだ。」
そう言ったら、元カノ、トロンとした目で見つめてた。
居酒屋を出ると、
「今日、最後の夜、部屋にって良い?」
「荷物が転がってるぞ。」
コンビニで歯磨きセットを買って、元カノが3年ぶりにやって来た。
「懐かしい…本当に行っちゃうんだね。家具の中身が空っぽ…」
勝手知ったる元彼の部屋、シャワーを浴びだして、出るとバスタオルのありかも知ってて身体を拭いたら、裸のままベッドにもぐりこんだ。
俺もシャワーを浴びて、ベッドに入った。
見つめ合い、唇を重ねた。
たわわな乳房を揉んで、3年ぶりのオメコを眺めると、3年前より明らかに色づいてた。
クリを吸うと、薄皮が剥けて愛らしいピンクの中身が恥ずかしげに顔を出した。
クンニに漏れる吐息、懐かしかった。
元カノ、フェラの仕方が変わってたから、新しい男に仕込まれたんだろう。
抱き合うと、生の亀頭がメコ穴に触れたが、何も言わないから生のまま入れた。
元カノの虚ろな表情を見ると、まだ好きな気持ちが残ってるのが分かった。
ギュッと抱きつかれ、舌を絡ませた。
肉付きのいい腰まわりが蠢き、身をくねらせ、回転して上下が入れ替わると、騎乗位で前後に腰をうねらせて、3年前までは見せなかった動きに、やはり仕込まれたとみた。
その後、再び正常位に戻り、チンコを抜くと見せかけ、メコ穴の入口の上を突き、不意をつくように奥まで貫く別れた前カノが好きだった腰遣いをお見舞いした。
一番奥で動きを止めると、オメコの襞が顫動をしながら、更にを奥へと手繰り寄せるような動きをしだした。
相当なテクニシャンに仕込まれたようだった。
元カノも感じたらしく、ヨガりを見せてるお腹にフィニッシュ。
その夜、元カノを抱いて寝た。
翌朝、朝起ちを狙われ騎乗位で腰振られて目が覚め、別れの射精をお腹にかけて、昼前、ランチしに出掛けた。
「それじゃあ、今度こそお別れだ。明日、この街を出て行くよ。いろいろ世話になったな。元気でな。さよなら。」
「ちゃんとさよならが言えて、やっとあなたとの恋が終われる気がする。元気でね。さよなら。」
ランチをした店を出て別れた。
3年前に別れた元カノとは、違う人になってたような、そんな再会だった。
もう、あの頃の元カノじゃなかったし、俺はいったい誰にお別れしたんだろうという気持ちになった。
でも、これで思い残すことなく故郷に帰れると思いながら振り返ると、遠くで元カノが手を振ってたから振り返した。
アパートに帰って、暫くボーっとしてた。
昼飯食ってきたからと歯を磨こうとして、洗面台のコップに俺と元カノの歯ブラシが立ってるのをしばらく見つめて、昔を思い出していた。
色んなことがあった東京だけど、未練はなかった。
また、ラインが鳴ってたけど、焼けた会社の先輩からで、ガン無視した。
きっと、トラブったんだろうが、俺の知ったこっちゃない。
元カノの歯ブラシをトラベルセットのケースに戻し、
「さよなら」
と言ってごみ箱に入れた。
翌日、荷物を実家に送って、帰郷するためアパートを出た。
玄関を閉めて、不動産屋に鍵を返して最寄り駅に向かった。
一度振り返り、もう、二度と来ることは無いであろう街を眺めた。
東京英、誰に見送られるでもなく、新幹線に乗った。
大学進学で上京して、9年過ごした街が、遠ざかっていった。