8月下旬の夜9時過ぎ、車で銭湯に出かけました。
以前に暮らしていた温泉町では毎日のように近所の共同湯に通っていたので、内風呂では満足できず、銭湯を週に二回は利用します。
今の住所に越して来て5年が経過し、去年からは店頭販売のパートにも出ています。
現在43歳ですが、同僚やお客さんからは30歳代半ばくらいにしか見えないと言われます。
自宅から車で10分程の距離にある銭湯は、営業時間が夕方4時から夜10時まで。
温泉ではありませんが、熱めのお湯をたっぷり湛えた浴槽にゆっくり浸って、家事や仕事の疲れを癒すことは、日常生活における楽しみのひとつです。
建物の入り口が男女で異なる番台式のお店で、私が利用する夜の時間帯は60歳代くらいの大柄なご主人が番台に座っています。
夫が留守だったその日は、普段より2時間ほど遅い時間帯に入店しました。
番台はいつものようにご主人で、女湯は私一人でした。
服を脱ぐと、前も隠さずレトロな体重計に乗りました。
女湯の脱衣場にも衝立やカーテンはないので、番台のご主人には私の裸が丸見えでしょう。
共同湯の番台は地域のお婆さんたちだったので、お店を利用し始めた当初、夫でもない男の人に裸を見られることには強い抵抗感がありました。
でも、ご主人を気にしている素振りを見せるのも何だか悪いし、いつまでも気にしていてはお店を利用できなくなります。
「女もお風呂屋さんでは、たとえ番台が男の人でもスッポンポンの姿をさらしているのが自然」と自分に言い聞かせて、開き直りました。
私が利用する時間帯、女湯のお客さんは少ないのですが、皆さんご主人の前でも堂々と裸をさらしています。
洗い場はもちろん脱衣場でも、前を隠したりしている方は見かけません。
私も初めてご主人の前で緊張感と恥ずかしさに苛まれながら服を脱いだときも、タオルで胸や下腹部を隠すような真似はしませんでした。
ただ、入浴を済ませて洗い場から脱衣場に出たとき、番台のご主人と目が合いました。
ご主人は前も隠していない全裸の私をジロッと見ました。
女の裸を見慣れたご主人でも、初物のアラフォーのカラダには興味があったようです。
話を現在に戻します。
洗い場から出たときお店の時計は閉店時間の5分前を指していて、ご主人は番台から降りて脱衣場の後片付けを始めていました。
男湯との間仕切りが開いていて、人の気配はありません。
いつものように前も隠さないで洗い場から出て来た私を、ご主人はジッと見ました。
閉ざされた狭い空間に、全裸の私は夫でもない男の人と二人切りです。
無防備な私をその場で犯すことなど、大柄なご主人にはわけもないでしょう。
普段はスッポンポンでドライヤーをかけるのですが、ご主人に変な気を起こさせてはいけないと考え、素早くバスタオルでカラダと髪を拭うと、そそくさと服を着てお店を出ました。
帰り道にコンビニに立ち寄って酎ハイを買いました。
銭湯帰りはTシャツにノーブラなので、胸の谷間と乳首の突起が目立つらしく、私の胸元に向けられたレジの若い店員の視線が気になります。
銭湯ではほんの先刻まで、ご主人に乳房も乳首もヘアもお尻も全てさらしていたというのに、この違いは何だろうと思いました。
去年、私がパートで勤めているお店にご主人が来られたことがあります。
私を見て「アラッ」という顔をされたとき、全裸の自分を見知っている男の人かと思うと、何だか恥ずかしくなりました。
銭湯でご主人にスッポンポンの姿をさらすことには抵抗感がないのに、服を着て外で顔を合わすと却って恥ずかしさを感じたことは驚きでした。