一個下のいとこが ステージ4の癌とのことで 見舞いに行った
もう10年以上会ってなく 年賀状のやり取りも無くなっていた
痩せこけており ぱっと見誰かわからなかった、これは長くないなと思っていたら 1週間後に亡くなった
いとこは結婚は早かったが 子供がなかなかできず 40近くになってやっと女の子が生まれた
亡くなった時は まだ子供は小学生だった
奥さんは いとこと高校の同級生で なかなかの美人だが、気が強く 苦手なタイプだった
旦那を亡くしたが 子供の手前 気を張っていたのだろう 気丈にふるまい葬儀を終えた
一人っ子同士の結婚で、双方の親も他界しており 親族はいとこの自分とあまり付き合いのない叔父さんだけであった
2年後、三回忌に呼ばれたが 参加は自分だけであった、叔父さんは遠慮したとのこと 付き合いが薄いので面倒だったのだろう
娘も中学生になり きれいな顔立ちになっていた
三回忌が終わり お寺の近くの和食屋でよもやま話をしていると 娘が飽きたのか 先に帰ることになった
お開きにしようとしたら 娘を自宅に送るので少し待ってて欲しいとのこと 無下にもできず暇つぶしに ビールを追加し待っていた
奥さんが戻ってきたら なんか感じが違う、化粧をしてきたようだ もともと美人の部類のきつめの顔だが化粧映えがする、奇麗だった
奥さんにビールを進め少しほぐれてきた、叔父さんが冷たいと愚痴をこぼし始めた、それに引き換え あなたは優しいととろんとした目で言われた
亡くなったいとこは 自分で事業をしていたがうまくいかず借金があったようだ、生保も安い金額だったようですでに底をつき 頼る親もおらず、参っている様子だった
自分は バツイチで独身 子供もおらず そこそこの収入があったので 無利子でいくらか都合するからと言うと 感動したのか涙ぐんでいた
娘を女手一つで育てるのが心細かったそうだ、自分もほろりとしてしまった
駅までタクシーで行くので 彼女の家まで送ることにした