現れたのは案のA美だった。
でも後ろから現れたのは女だった。
二人は無言で砂浜の真ん中付近へと歩いて行った。
幸い俺には気付いていない様子。
でも俺からは二人の表情まで丸見えだ。
もしやA美はレズだったのか?
だが、向かい合う二人はどう見ても険悪な表情だ。
肩紐を結ぶタイプのワンピースを着ているA美が口を開く。
A美「意味わかるよね?」
S子「わかってるよ。ここで白黒つけたいんでしょ?」
顔は今思えば吉岡里帆似。キャミソールを着た女が答えた。
どちらも美人、というか可愛い。
それなのに表情は緊張なのか強ばっていた。
しばしの沈黙のあと
S子「こないの?」
パシンと乾いた音、A美がS子にビンタしていた。
S子も同じようにやり返した。
喧嘩なんかしたことないんだろう、次の手が出ないでいる。
ただお互いを睨む表情は厳しい。
今度は距離を詰め、髪を掴みあった。
両手で掴み合い引きずり倒そうと必死だ。
全力疾走の後のように二人の荒い息が川の音に混じって
ここまで聞こえてきていた。
髪を掴み合いながら時折ビンタを放つ二人。
決定だがないまま揉み合いが続いていたが急にS子の動きが止まった。
S子「何すんの!」
見るとS子のキャミソールの肩紐が外れ、胸が丸出しになっていた。
(ブラしてないんだ)冷静に考える俺。
止めようかと思ったがここまで見て止めると今まで見てたのがバレる。
非力そうだから大きな怪我にはならないだろうし、
何より滅多に拝めないものが目の前で繰り広げられているのだ。
止めるのはやめて最後まで観賞と決め込んだ。
胸を手で隠すS子と一度止まるA美。
S子はビンタでA美を怯ませておいて両肩のワンピースの紐をほどき下げた。
(こっちもノーブラか…)
今度はA美が胸を隠す番だ。
満月に照らされて白いバストが一瞬見えた。
「おかえしだからね」S子がサディスティックに笑う。
お互いに片手で胸を隠しながらの攻防だ。
掴んだり髪を引っ張ったり、腰にまとわりついていた衣服の残骸が邪魔そうだ。
そんな残骸でも身に付けていたいのは乙女の羞じらいからだろうか?
だがそんなものはここでは何の役にもたたない。
もともと紐でぶら下がっていただけの衣服だ。
そのうち腰から足へとずり落ち、相手の攻撃もあったからだろうが
身に付けるものは一枚だけとなった。
その時にはすでに身体を隠すのはやめて、両手で相手につかみかかっている。
砂を身体中につけながら上になったり下になったりの攻防。
時々川まで転がっていっては水に身体が浸かったりしている。
二人とも嗚咽を漏らして泣きながら闘っているようだ。
上になった方が下になった相手の髪を掴み砂に擦り付けると、
今度は反対になったときにやり返す。やったりやられたりのいかにも
女らしい戦いだった。
しかしもう限界のようだ。
A美がS子に跨がったまま動きが止まった。
S子には返す力はなく、泣きながらされるがままだ。
A美も泣いてはいたものの息を整え、最後の仕上げにかかった。
思いもよらないことだが、中途半端に残っていたS子のパンティーを脱がし、
川に投げ捨てたのだ。
さらに跨がったままS子に何度もビンタをお見舞いした。
自分も泣いてるくせに、そこまで敗者をいたぶるとは女は怖いと思った。
しばらく勝利の余韻に浸ったかと思うとA美はおもむろに立ち上がり、
自分のワンピースの砂を払って着直すと振り返りもせずに帰っていった。
S子は放心状態のようで全裸のまま横たわっていたが、自分のキャミを探し当てると
泣きながら去っていた。
その後俺が何をしたかは言うまでもない。
さて、夏休みが終わってから、俺はA美に呼び出された。
A美「俺君、あのとき見てたでしょ?」
俺「あ~」
A美「誤魔化してもだめだよ。放課後にあの場所に来て」
断れるはずもなく、黙ってみていたことを謝るつもりで言われた通りに行ってみた。
夕方なのでまだ明るい。
そこでA美が語り始めた。
A美は同じ学年のテニス部のイケメン男子が好きだったらしい。
時間をかけて段々仲良くなったらしいが、そこへ現れたのがS子だ。
(俺はS子の名前はここで初めて知った。)
S子はイケメン男子の幼馴染みで、やはり恋していたらしい。
あとは恋のライバル同士、ありがちな妨害もどきのことをやりあっていたらしい。
それで我慢しきれなくなり拳でケリをつけようと今回のことになったそうだ。
もともと勝った方がどうこうという訳ではなかったため、
喧嘩のあとの勢いでA美はイケメンに告白したそうだが敢えなく撃沈。
どうやらS子も近いタイミングで告白。こっちは実ったそうだ。
A美「喧嘩には勝ったけど、勝負には負けちゃった」
言葉のかけようもなかった。
A美「それはそうと俺君には恥ずかしいところ見られちゃったし、口止めしないとね」
俺「そんなのいいよ」
A美「私も淋しいんだよ。相手してくれる?」
そこまで言われると断りきれず、うんと答えた。
A美は俺の首に腕を回しキスをした。
辺りはもう暗くなっていて…
後はキャットファイトとは離れちゃうんでご想像にお任せします。
女の子の感情は分かりにくいですが、A美によると結構女同士の争いはあるらしいです。
ムカつく相手を力ずくで押さえつけたい感情も表面に見えないだけでたくさんある。
何かの表紙でリミッターが外れると今回のようにとことんやりあうことになるとも。
女は例え負けるかもしれなくても、相手を一発でも殴りたい。、負けても構わないから殴りたいと思ってるそうです。
実はこの当時俺には彼女がいて、A美とのことが知られて揉めたんですが
また別の機会に。
お目汚し失礼しました。
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