先月28日土曜日の午後、キョウちゃんと私は公園を見渡せるファミレスで
食事をしながら、佐藤さんか千葉さんが現れるのを待ちました。
出掛ける前にキョウちゃんの実家から持ち帰った、下着達をバックに入れな
がら「ね~水着も何枚か持っていっていい?」とキョウちゃん。
「ん~どんな事になるか分からないけど、佐藤さんは歓迎だと思うよ」
小さい旅行バックですが、小さい物ばかりなので入れるには問題無さそうで
す。
以前からお互いの予定を考えて、28日に予定していましたが、先方には事
前のアプローチも無いままの行動なので、何もせずに帰宅も考えられます。
私達は少しは佐藤さんのアタフタする様を見たかったのです。
キョウちゃんとは詳細な打合せもなく、接触するまでの行動しか決めてませ
んでした。
暑い公園で待つのも大変だし、ファミレスで女刑事みたいに張込む事にしま
した。二時間近くおしゃべりしながら公園を見ていた三時過ぎ、佐藤さんが
現れました。
公園に子供を連れてくる奥様達だって、この暑さじゃ夕方しか来ないかもと
思っていたのですが、見えてる奥さんが3組になったと同時に現れました。
キョウちゃんは「うわ~ドキドキしてきた~、行く前にオシッコしてくる
ね」と言い、席を立ちました。
私達の計画はこうです。
キョウちゃんは一度面識があるので、以前に佐藤さんと会った同じ場所に座
り佐藤さんを待ちます。
そして程よい会話をしたら、「ナオコ」の名前を出して、佐藤さんが話の展
開をしやすい様に仕向けながら、こんなシュチュエーションで、佐藤さんが
どんな行動や態度をとるか楽しみたかったのです。
キョウちゃんはトイレから戻ると小さな声で「必要以上にウォシュレットし
ちゃった・・・」と言い、私はふき出して笑っちゃいました。
キョウちゃんが出て行った後を眼で追います。
キョウちゃんは佐藤さんの視界に入るように歩き、日陰のベンチに座りまし
た。公園を歩くキョウちゃんに、キレイな人だなぁ~とつくずく関心しちゃ
いました。颯爽と歩くキョウちゃんはハイヒールにワンピースで髪をなびか
せて、この公園にはかなりのミスマッチです。でも彼女のキャリアを知って
いる私は、本当の女性として疑う余地はありませんし、ファッション誌に出
てくる、モデルさんとは中身が違います。
佐藤さんはキョウちゃんの存在に気付いている筈です。
10分ほどして、佐藤さんがキョウちゃんの前を一度素通りして行きまし
た。佐藤さんなりに出だしを考えているんだと思いました。
私はファミレスでコーヒーを飲みながら、二人の距離感と見えない駆け引き
を想像しながら、ドキドキしながら観察しています。
キョウちゃんからメールが着ました。「暑い・・・助けて~」
私は「頑張れ!直ぐに声掛けてくるから」
佐藤さんが折り返して歩いてきました・・・ドキドキしてきました。
ここからは、キョウちゃんの説明を引用します。
「こんにちは・・・あれ?前に来てたお姉さんですね。」
「あっ。こんにちは、今日も暑いですね~、でも涼しいところを教えて貰っ
たから・・・」
「やっぱりそうでしたか・・そこでも暑いでしょ。」
「待ち合わせしてるんです、友達と・・・」
「いまどき、こんなところでデートじゃ、大変だね。」
「女友達ですよ・・・もう来る筈なんだけど、長く待たされるのは確かにコ
コじゃあ辛いですね」
「待ち合わせなら、そこのレストランですればいいのに、エアコン効いてる
よ。私はココに居るから、それらしい人が来たら言ってあげようか」
「・・・・」キョウちゃんはそんな流れになると思わなかったので、焦った
と言っていました。
でも、私の名前を出しやすくなった事に気付き、「そうですね・・・・でも
行き違いになると困るし、そこまで御願いするのは悪いから・・・」と云う
と。
「何時の約束してたか分からないけど、私は夕方まで居るのが日課だから大
丈夫だと思うよ、あそこからだって見えるでしょ」
確かに私が見てたら、二人でこちらを一瞬見た時がありました。
キョウちゃんはチョット動揺したみたいだけど、結果して「それじゃあ、御
願いしていいですか、わたしトイレにも行きたかったし助かります」
「いいよ、いいよ、行ってきなさい。何て言う人かな?」
「ナオコさんて言う人ですから・・・私くらいの年齢ですから。」
「ナオコさんね、はいよ。」
その後、キョウちゃんはヒールなのに小走りで戻ってきたのです。
「ナオヤ~ン・・・焦った~。ココに居ると言ってあげるから、涼しいトコ
に居なさいだって~、どうする、どうする。」
「え~そうだったの、どうしよ・・・」
「ナオコって言ったけど、ピンとこなかったみたいだよ」
「・・・・そっか~・・・でもさ、電話したら繋がったとか言って、ココか
ら二人で行くだけで辻褄合うよ」
「そっか・・そうだ、アハハ~、何か飲ませて・・・」
30分後、バックを抱えて二人で行くと、佐藤さんはキョトンとして「おお
~、ナオコさんてナオちゃんの事か~そうか~」と言いました。
でも最後には、それでも意味が分からないといった顔をしていました。
少しづつ書いていきますので、皆さん宜しく御願いします。