女を逝かせてから、男も逝くのがベストと彼は言っていた。
期待したのに、ガッカリ。燃え始めていた愛の小さな炎も、彼の甘えぶりに消えました。
最初から、
「お風呂で洗いっこしよう」と言われた時から、やな予感が……
先に泡風呂に入っていたところに呼んであげたら、アソコにお湯を少しかけただけで浴槽に入ってきた。
「洗ってから入って」と言ったら
「みんな洗ってくれた」とまたほざく。私の腕や胸を洗い始めたので、自分で洗ったからと断り風呂から出ようと言うと、浴槽の縁に座り、「洗って」と言い出した。
(何が何でも洗わせる気なの?)と思いながらスポンジで洗ってあげた。そしたら今度は、「くわえて」とのたまう。
(ソープの女じゃなーい!)と叫びたかった。
けれど、ベットの上に期待しました。
最初はキス。盛り上がりたいわたし、しかし彼は驚いたように唇を離し言った。
「舌を使うなんてイヤラシイネ」と。
(ばかやろう!舌が少し触れただけでいちいち言うなー)
心はどんどん冷めていきました。濡れやすいわたしがカンカラカン。指は痛いばかりでへたくそ。逝かせず挿入。痛いんです。先に彼は逝き、わたしのことは後回し。
そのうちマグロのように寝た彼、言った言葉は「くわえて」
気持ちよくしてあげたら、わたしにもお返しがきっとあるなんて思ったわたしがバカでした。
彼は二回逝きました。けれどわたしは不発弾。思い返してみれば、末っ子や一人息子はみんなこんな風だった。
帰りの車の中で、わたしは湖のそこに沈む冷えたマリモようかんみたいに、口を開かず顔色悪く、(最悪)と心の中でつぶやいていたら、彼は言った。
「これ持って帰って」と後部座席から何やら取り出した。
(あら、おみやげ用意してくれてたの?)なんて思った脳もすぐ殴られたような衝撃が。
それは!コンビニの袋にしっかり包まれた、コンビニのシールポイント景品のマグカップと皿でした。
ケチなのは解っていましたがこれほどとは。わたしは返す言葉もなく、そのおみやげを持たされうなだれ帰りました。自分の家にもあります。ちょっと邪魔になってます。
翌日、もう会いませんメールをしたら、「どうして?ずっとつきあいたいのに」と返事が。(勘弁してよ)
五日後、また復活してよメールが。全て正直に書いたらメールは来なくなりました。
『なりさん、甘えるのはする事してからにして!』