自分は大学生の頃にデリヘルの送迎アルバイトをしてました。
日本人とロシア人、韓国だか中国の女性が在籍。
友達の兄貴の知り合いって人が夜の送迎する人を探してるって聞き、運転が好きな自分に良いかも…って感じで紹介してもらいました。
オーナーは少し怖面のトシさん。
まぁ自分には優しい人だった。
ご飯代も付いて夜の9時から3時頃まで、時給1200円は大学生には有り難い。
ハイエースで送迎し、女の子には手を出さないのは当然のお約束。
すぐに女の子達とも仲良くなり、まぁまぁ楽しくやっていた。
俺と同じ曜日の週に三日出勤のロシア人のサーシャは人気があり、よく遠くまで運んでいたので特に話す機会も多かった。
「かずきもHですか~(笑)?」
なんて笑い交じりの下ネタ程度なら話す。
「俺は真面目な大学生だから!」
なんて言いつつもニヤついてしまう。
スタイルは良いし顔も可愛い、仕事中はデニムのミニかショーパンに体のラインが出る服で、興奮するなってのが無理。
留学生とは聞いてたが同じ大学と知った時は気まずかった(笑)
学部も違い、校舎が違う場所だから会う事もまず無いし、存在自体知らなかった。
彼女は通訳の仕事がしたいらしい。
出勤時間が違うから送る事は無かったが、仕事が終わると一緒に帰る事がある。
自分は車で通勤してたのでその日も車に乗せて彼女の家を目指した。
車内の会話で、彼女の地元の家から海が近いと聞いた。
「じゃ、眠くないなら海まで行って見ようか?」
彼女も同意したのでそのまま薄暗い中海に向かった。
ひんやりと冷たい海風に吹かれながら色々話しをした。
その中で俺の前任者の話しになった。
40近いオッサンで、店の女の子に手を出そうとしてクビになったとは聞いていたが、女の子にしつこく言い寄っての事らしい。
中にはホテルまで連れて行かれ、慌てて逃げた人も居るとか。
「かずきは全くHな事しようとしませんね?」
妙に丁寧な日本語で聞かれてドキドキした。
砕けた言葉の方が笑いながら「気持ちはあるよ~」と言えそうだけどね。
「アハハ…そうだねぇ」と海を見ながら曖昧に返事をした。
隣に座ったサーシャはこっちを見てるのが解る。
「社長と約束してるしね~。守らないのはダメでしょ?」
努めて明るく言った。
「エライです!日本人は本当は真面目ですね!」
俺の髪の毛をクシャクシャにしながら言った。
俺は照れてしまい困った顔をした。