ヘソンが日本に二ヶ月くらい住んでいた頃の話です。
私が恵比寿を歩いていたとき、「すみません」と声をかけられました。後ろを振り返ると、サングラスをかけた男の人が‥
「はい?」と聞くと、「ここのマンション、どうやって行けば帰れマスカ?」カタコトの日本語でした。パッと見日本人だと思ったからびっくり!私は案内してあげました。
マンション前につくと、その人は「アリガトウ」と言ってサングラスをとりました。「あ‥!!」その時初めてヘソンだと気付き‥「もしかしてヘソンさんですか?」と聞くとニコッと微笑んでくれました。その笑顔がかっこよくて、私はすっかりメロメロになってしまいました。
「アナタの名前は?」「あ‥愛華です‥」「愛華サン!このあと時間ある?」「はい‥」「じゃあウチ来てクダサイ!お礼したいデス」
そう言ってヘソンは私をマンションに上げてくれました。
ヘソンは思ったより無邪気な人で、たまに英語を交えながらもたくさん話すことができました。
「もっと愛華と話しタイな。電話番号教えて?」お互いの番号を交換してその日は別れました。