おかしい。美姫も顔を近付けたまま俺を視ている。目がなんか、変わった。
いいのか?いや、躊躇してるのは一番良くない。俺が強引に迫っているわけでもないし、明らかに美姫は待ってる。徐々に顔を近付ける。
…
『ねぇ』
「え!?」
『苦しそう。』
無理やり美姫の方に伸ばした俺の体をみて美姫はそう言った。あまりに急な予定変更に戸惑いながら、俺も言われて頭を下げて自分の体制を確認する。確かにと思い、ハハと笑いながら頭を上げると、不意にキスされた。動けなかった。
まったくキムタクみたいなことするなぁ。グットラック観てただろ。本当なら俺がやりたいのに…というのは振り返ってみた感想だが、当然当時は重なった唇の温かさに包まれ、そんなことは考えられなかった。
長い口づけは続く。
どちらからともなく舌を絡める。
気持ちいい。
おそらく2分近くそうしていたと思う。そして2人は唇を離し、また重ねる。そばを誰か通った。瞬時に俺は美姫から離れた。今は別世界の人。美姫のこんな姿が見つかったらまずい。そう思った。美姫も俺の方は見ずに下を向いている。真っ直ぐ地面を見ている。周りに人気がなくなると、またキスする。
俺は我慢できなくなって立ち上がり、無言のまま美姫の手を引いて路肩の植え込みを越えて園内の小さな林の中に入った。トイレは嫌だったし、人目につかない所はここしかなかった。
木陰に隠れると同時に俺は美姫を抱きしめた。 むちむちと弾力のある胸が気持ちいい。やがて美姫は両手で俺の両肩を軽く掴んだ。少し体が離れて、美姫は俺を見つめる。俺も美姫を見つめる。美姫の手は俺の肩から肘に下りていく。気付けば俺の両腕は美姫の手に掴まれて垂れ下がっている。美姫の手はゆっくりと、ずっと下がり、俺の手の甲を掴む。俺は美姫を見つめる。美姫は掴んだ俺の手を自分の尻に持っていく。えっと言うつもりが声が出ず、口が少し開いただけになる。俺の僅かな戸惑いを察して、美姫が囁いた。
『お尻好きなんでしょ?』
「え…?」
一瞬何を言ってるのか分からなくなる。
『みんな言ってるよ?』
美姫は微笑んでいる。
「あ…」
何を言えばいいか分からない。
『触っていいよ。』
美姫の尻にジーンズがぴったりくっついている。ジーンズごしに、美姫の引き締まった、でも素晴らしい弾力のある大きめの尻の感触が伝わる。
スカートじゃなかったから、もやもやした気持ちをなんとか抑えていたのに、一気に爆発する