都内の某映画館、公開からだいぶ経った映画は観客が少ない。俺はそこにあやさんを呼んだ、彼女が映画館でしてみたいというからだ。欲が一致した俺らは数通のメールで今日に至る。
予約状況も俺ら以外に5、6人ほど。話題作でもないマイナーな映画を選んだからだ。待ち合わせは館内で。俺は後方の席で本編開始を待った、なぜならそれが集合の合図だからだ。
いつもより遥かに長く感じる宣伝の時間。
マナー喚起など無視して客席に目を向ける、恐らくあの人だと俺は勘付いた。
本編が始まった。
俺は最後方の席に移動した。少し後にあやさんと思われる影が横にぴったりと座った、合言葉…「ポップコーン買えばよかったですね。」
「私はチュロスが好きです。」
…耳元で囁かれた妖艶な吐息……手は自然と重なっていた。
青白い光に浮かぶあやさんの綺麗な輪郭、目、鼻、唇…、肩、脚、腰、…胸。
抱き寄ると、ほのかなバニラの香りに包まれながら舌と舌がゆっくりゆっくり静かに絡み合う。
あやさんのボディーラインを撫でると彼女はビクッと反応する、しばらくフェザータッチを続ける、暴走寸前の欲望を押し殺しながら。
頃合いを見て彼女を膝の上に跨がせた。後光を放つ彼女の影は一枚、またもう一枚と花びらを落とすようにありのままのシルエットになる。
その美しさに圧倒される俺に彼女は寄りかかってきた、すかさず乳房を頬張った。
彼女は手で口を押さえて「んっ」と声を漏らす。
夢中になっていた俺は、ふと片手を彼女の秘部に当ててみた。そこはもうぐっしょり濡れていた。
俺はベルトを乱暴に外した。
いきりたつ棒を彼女の秘部に押し当てる。
すると、彼女は自らそこに腰をゆっくり落とした。
俺たちは快楽に溺れた。
映画がエンドロールに差し掛かる時にはもう俺たちは元の姿に戻っていた。ただの観客だ。
しかし、あやさんの下着には溢れた精液が染みていることだろう。
そして、俺には体臭とは違う香りが未だに漂っている。
何食わぬ顔で出口に向かい、あやさんと合流する。
自然と手は繋がり、胸を押し当ててくる。
俺たちは当然のようにホテル街に向かった。