それから望月の事も忘れかけて相談を受けてから2か月~3か月くらい経過した頃の話です。順調に進んでいれば、望月も既にどこかの部署に配属されて、憧れの制服を身にまとい、がんばってくれているのであればと思っていました。その時、私は夜間勤務の宿直部屋で仮眠をとっていたのです。毎日の積み重なった疲労のおかげてよく眠れるのは私だけではないだろうな。なんて思いながら眠りについていくのですが、その時は奇怪な会話が耳にはいり、少し目が覚めてしまいました。宿直部屋にはベッドが6個あり、私はいつもの端っこの場所で眠っておりました。すると20代中盤の新人の壁をやっと超えたあたりの若手社員が2人、一緒に話をしながら宿直部屋に入ってきたのです。サービス業で徹底的にマナーは叩き込まれているといっても、所詮はまだ20代の若者。私が眠っているから少し声のトーンを下げたものの、会話自体を止める事はありませんでした。そんな彼らの会話を私は盗み聞ぎしていたわけではありませんが、少々気になる会話を耳に挟んでしまったのです。若手A「この前はいった可愛い子いるだろ」若手B「誰の事よ。可愛いといっても、基本かわいい子しかこないだろココ」A「キツネ目であごが少ししゃくれている子。見たことあるだろ」B「ああ、あの子か、フレンチの配膳係に最近なった子だろ。それがどうした」A「さっそく、〇先輩にヤられたってwwww」B「まじかww 何人斬りするつもりなんだろうなw 〇先輩w」この〇先輩というのは、年齢こそ20代後半で、わが社でも第一級のコーディネートスキルを持つ男でした。わが社でいうコーディネーターというのは、お客様からのプランの相談にのり、「いかに高いプランを注文させるか」がカギになっている業種でした。凄腕のコーディネーターが相談にのれば、50万の結婚式でも150万のプランに跳ね上がるという、そういった逸話が絶えない業種でもあるのです。A「あの人、武器がすごいたろ。まずホストみたいな外見、車、時計、会社もそんな高級時計つけてくるな。っていうのが本音だろうけど、あの人の成績を考えるとなぁ」B「それはあるだろうな。会社も言いたくても言えないんじゃない。あの人レベルだったら、競合もほしがるだろうし。やめられて困るのは会社だろうな」A「で、その〇先輩が言ってたんだけどさ、新人の子。過去最高にフェラがうまかったってw」B「うらやまけしからんなー。あの子、俺ちょっと狙ってたのにw」A「〇先輩がいうには、顎がしゃくれているから、独特のフェラ心地になるってよw」B「フェラ心地ww 初めて聞いたわww」A「くわえられて3分でイった。って言ってたww」B「そうとうな技量の持ち主ってことだな。だめだわw 次からあの子みたらフェラの顔にしかみえねーよw」B「で、付き合うとかそういう話は?」A「あるわけねーだろ。いつものヤリ捨てだよ。」篠田「オホン!」(咳払い)A&B「やべ。。寝よwww」こんな話を聞いたのです。といっても、望月といっても私から見れば数多くいる従業員の中の一人であり、特別な何かというのはありません。外見どうこうといっても、ホテル業界ともなれば様々な美人が沢山おりますし、年齢から考えても職場で男と女の関係で何かがあるといっても不思議な事ではありません。ただ、このAとBの会話はいったい、なんの虫の知らせだったのか。それからほどなくして、私はまた望月に「聞いてほしい事があります」と社内メールで私宛にメッセージが飛んできたのでした。私は何か嫌な予感がしました。あのAとBとの会話の一件が絡んでいるのではと。しかし、嫌な予感ほど当たるものであり、見事にその話だったのです。望月からの相談は最初は遠回しからでした。会社で告白されて、いちおう承諾したのですけど、、実は相手には彼女がいるみたいで、、なんっていうか、こんな話を篠田さんにしても仕方ないとは思うのですが。。。といった具合に遠回しで、そしてかなりの長文でです。結果として私自身も何がいいたいが読み取れなかったので、「直接話そう。文字だけだと伝わるものも伝わらん」と、会う事にしたのです。そして数日後に望月と会って話をした冒頭に依頼されたのが「いきなりこんな事いって無理だと思いますが、もし、可能であれば〇先輩の携帯電話を一時的にでも取ることってできますか」でした。もちろん、そんな突拍子もない訳の分からない依頼をしてくるには何か事情があったのだろうと聞き出しました。すると望月は少し目に涙をためて訴えかけてきたのでした。
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ホテルに行く当日の日、私は望月と二人で個室居酒屋へ行き、そこで時間をかけて望月が今おかれている処遇の相談を受けました。相談といっても愚痴がメインでしたが、あえてここでそのすべてを書くことはありませんが、はやり対人関係メインの悩みが多かったのです。ただ望月の場合は、本人の学歴や容姿に独特の際立った個性があるものから、男からのセクハラだけではなく女からの嫉妬がらみの嫌がらせ等も多数散見されたのです。結局、私ができる最大の事は人事部に対し、異動願いを作成してあげることと、古くから知る人事部の担当者に、何とか受理してあげて。という事くらいのものでした。私にとっても公私混同しているんじゃないかと考えさせられる事もありましたが、状況が状況なので仕方のない事かと自分を納得させました。一方、当の望月はもともとメンタルがあまり強くない子なのだと見受けられました。あの出来事があってから顔から元気はなく、メイクも薄く(もともと美人なのでメイクはなんでもいいですが)曇った表情をしていました。そして個室居酒屋では、「栄養つけろw」と刺身の盛り合わせや、てんぷら等を望月にすすめ、私ですら滅多に飲まない大吟醸の日本酒を注文したり、望月に元気を出してもらおうと努力しました。上司としてもっともよい対応というのは、時には奢って元気を出してもらって、また明日から頑張ります。という言葉をもらうだけ。それだけで私は十分でした。何もホテルにまで行ってなにかをしようとは、当初は下心もありましたが、深刻な望月の表情を見ているとそんな気も吹っ飛んでしまったのです。しかし、望月は確実に精神的なモヤモヤが消えていないらしく、「今日は帰りたくありません。帰ったらまた思い出して鬱っぽくなりそうだから、一緒にいてくれるって言いましたよね?」と、相手のほうから積極的に私を誘ってくるのです。かりに私が一晩、二晩、一緒にいたとしてもそれで悩みが解消するかどうかといえば、そうではないと思います。悩みを解消するには行動して状況を改善するほかなく、いつまでも目先の安心感だけを求めて仕事を休んでも仕方ないとは思いましたが、今の望月の精神ではそれを教えても「やっぱり理解してくれてない」と思う事でしょう。そもそも、その日は納得するまで話を聞いてやる。と言ってた事もあって、結局、ホテルに行くことになりました。(なぜホテルにここまで拘るんだろうな)と思っていましたが、ホテルに向かう道中、「ここで〇さんが、何もしないからって誘ってきた場所です」とか、「で、結局このホテルに入ったんです」とか、そういった一連の流れを説明してきたので、(とにかく、当時の状況を理解してほしかったんだろうな)と解釈するほかはありませんでした。そしてホテルに到着し、部屋の中へ入っていきました。「あー疲れた><」と私はベッドにゴロンと体を投げ出し、リラックスモードへ入っていきました。すると当時の流れを解説しようとしてくる望月から、望月「場所は違いますけど、ホテルに到着したらベッドに座ったんです。すると、入ってまだ5分も経ってないのに、いきなり〇がガバッって私におおいかぶさってきて、キスしてきたんです」篠田「わかったわかった。何もしないっていうから信用してついてきたけど、相手は下心があった。ってことなんだよな。わかってるよ」望月「はい。。。」篠田「でも不思議なのがな、俺も写真みてしまう事にはなったけど、やってる間はそこまでお前も嫌がってるような表情をしてなかったと思うんだが、それはどうなの?やっぱやっている時は意外と楽しいもので、やり終わって自分がヤリ捨てされた。って分かってから、嫌な気持ちになってきたのか?」望月「正直に言えばそうです。そうなります。」篠田「まぁそうだよな。状況からして。んで、どうする?もう寝るか?」望月「あの・・・。改めて聞きますけど、写真を見た時どう思いましたか?」篠田「それは前にも言った通り、お前みたいな美人があんな事している風景を見るワケだから、男として興奮して当然というのは言った通りだろう」望月「篠田さんも、せっかくホテルに来ているし、同じことヤってみたいと思いますか?」(こういう質問してくる時点でメンヘラっぽくなってるんだよな・・)と思いました。篠田「男はいつも女とヤりたいと思ってる生き物だよw ホテルとかどうとか関係ないw ただ理性でそれをコントロールしてるだけだw 逆に聞くが、それを俺に聞いてどうすんの?」望月「私は・・・やりたいと今思ってます」篠田「へ?」望月「うまく説明できないのですが、ホテルという場所で、ちゃんと自分が体をゆるせる人とHしたら、〇との苦い体験を上書きできるかな。って思って。それにいつもお世話になっているし、ご奉仕したいという気持ちもあります」篠田「上書きって・・・」
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