大学3年の時の話。
単位がそこそこ取れて授業も落ち着き、就職活動が始まる前。大学生ならみんな、バイトや遊びに明け暮れる時期。忙しくなる前に旅行に行こうと計画したのは、友人のユウキ。それに賛成する形で、仲良しメンバーのタク、アミ、ヨウコ、そして僕の五人で旅行に行くことになった。
五人は授業も殆ど一緒で、遊ぶのも大抵この五人。カップルは一組もなく、男女の垣根のない「友達」だった。
みんなでアミの家に泊まりに行ったこともあるし、ヨウコが酔ってそのままウチに1人で泊まったこともあったが、体の関係を持ったことはない。僕は密かにアミに好意を持っていて、黒髪童顔でスタイルもなかなかよく、愛嬌のあるアミにいつかアプローチしたいと思っていた。
旅行は9月。まだ暑い日差しは残っているものの、風が吹けば涼しくて気持ちいい。
レンタカーを借り、ユウキの運転で約3時間。目的のロッジに着いた。
せっかくだからみんなで買い物して料理したほうが面白いと発案したのはタクで、その案に乗った僕が探したのがこのロッジ。食事はついておらず、備え付けのキッチンを自由に使っていいというもの。
予想以上にいい雰囲気のロッジに五人はテンションが上がり、料理してゲームして飲んで歌って…と、大学生らしい宴を開いた。
気づけば2:00を回り、みんなやや疲れモード。「明日も朝から遊ぶスケジュールぎっちりだからな!今日は寝るか!」とユウキ。みんなで布団をひく。ちなみにロッジには木枠に布団をひくタイプの二段ベッドがあり、それ以外は床に布団をひくというもの。つまり、ベッドで寝られるのは2人。残りの3人は床。
普通ならベッドにアミとヨウコ、床に男3人なのだが、アミがかなり酔って眠そうだったので、ベッドまで運ぶのが手間だったので床に寝かせ、ヨウコはベッドの下段、僕が上段になり、ユウキとタクはアミと並んで床に寝ることになった。
ふと、三時頃に目が覚めた。
時期的にまだちょっと暑く、クーラーの効きも良くないので起きてしまった。寝付けないのでとりあえずトイレに向かい、用をたして3人の寝ている寝室を横切るとき。
…
なんか声がする?
起きてるのか?喋ってるのか?
スライド式のドアのスキマから見ても暗くて良く見えない。しかし耳を澄ますと音は聞こえる。
ユウキと、アミの声。
ユウキはたまにボソッと喋るだけで何を言っているのかは分からない。
アミは…なんか普段と少し違う高い声で「ユウキ」とか「んー?」とか言ってる。僕は息を潜めてじっと見ていた。
寝室の奥は窓になっていて、月の光が差し込んでいるので逆光になってシルエットがぼんやり見える。
さっきまで布団の上に座っているように見えた2つのシルエットが、溶け合うようにひとつに重なった。
そこから先は、「声」ではなく「音」が聞こえた。
チュッチュッとかジュルッとかピチャピチャとか。「はぁ」とか「んっ」とか「っあ!」とか。
溶け合うシルエットはそのまま床にへばりつき、もぞもぞと動きながら音を出し続ける。しばらくするとシルエットが離れ、片方だけが座ったように見えた。座った横向きのシルエットは、髪の形と身体のふくらみからアミだとわかる。そして、数秒後にアミのシルエットは上下に動き始めた。髪を乱してふくらみは揺れ、下に下がる時にアミから「…!!」と音がする。
あとは物理的な、肌と肌がぶつかる音も少し聞こえる。
絶望的な気分。でも、体は火照って汗だく。下は反応してるし、なんだこの感情。
ふらふらとベッドに戻ろとハシゴをガタガタさせると、下段で寝ているヨウコが起きてしまった。
「ん~…ん?おはよ」
「まだ夜中だぞ。おはよじゃない」
「あそ…」
「…あのさ、ヨウコ」
「んー?なに?」
「ユウキとアミがさ」
「うん?」
「…ヤッてんだけど…」
「……はっ!?」
ヨウコは勢いよく上半身を起こした。「いつ!?」と聞くヨウコに「今だよ」というと、確かめに行くと言ってきかない。渋々ついて行くと、まだ続いていた。
上下には動いていない。床でもぞもぞとうごめくシルエット。たまに聞こえる液体をすするような音。ヨウコは目を丸くしていた。
「できてたのあの2人…?」
「しらねーよ。おれもトイレ行ったらたまたま見つけちゃったんだよ」
「…やばいねこの状況…」
しばらく見学するヨウコ。
僕はもう沢山。一人ベッドにいそいそと上がり、布団にくるまる。当然寝られない。ぼーっと過ごす。
少しして、ヨウコが戻ってきた。ハシゴに足をかけて顔だけ出し、僕はの背中をたたいた。
「いてーよ」
「タクもいるよねあの部屋。気付いてないのかな?」
「あいつは寝たら殴られても起きねーから。ユウキはそれ分かっててだと思う」
「…すごいもの見ちゃったよ」
「もう終わってた?」
「ううん、ずーっとゆっくり動いてて、なんかすごくスローな感じ。それがかえってエロい」
「エロとか言うな」
「あんたさー、アミのこと気に入ってたんでしょ?」
「…どーでもいいよ」
「…」
ヨウコが上ってきた。布団に入ってきた。背中に密着してきた。
「なんだよ」
「あたしも結構かわいくない?」
「は?」
「は?って失礼w」
ヨウコも可愛い。
顔は整ってて色白で、スタイルもいい。でも性格がほぼ男なので、女として見ていなかった。しかし
「あたしもさぁ、結構喋んなきゃモテんだよね」
「喋んなきゃな」
「アミよりおっぱいデカいよ?」
「そうか?お前のが細そう」
「そりゃ先入観ですよw」
「男として見てるからな」
僕の背中に胸を付けたヨウコが、背後から手を回してきた。その手はするりと僕のTシャツの裾から滑り込み、僕の胸をあたりにがっちり絡みついた。
「汗かいてる」
「なんだよ。やめろ」
「やだよー」
不意打ちすぎた。
ヨウコは僕の乳首を触り始めた。
僕は反応してしまった。
「!?おい!」
「あはは。かわいい。こっち向いてよ」
「…」
抵抗できない。僕はゆっくりヨウコの方を向くと、ヨウコが優しくキスをしてきた。チュッチュッと優しいキスの後、ゆっくり舌を絡め合う。
ヨウコの髪の匂いを嗅ぎながら夢中で舌を絡めていると
「触ってよ」
ヨウコの胸をゆっくり包む。確かに想像していなかったレベルでデカい。侮っていた。
「…何カップなんだ?」
「んー?Eだよ!甘く見るなよ!」
「意味わかんねーなお前w」
「あっは!」
友達トークっぽい会話をしつつも、しっかりと身体を求め合う。
背中に手を回してホックを外し、大きめのTシャツの袖から肩紐を抜いてブラだけを外す。Tシャツの中に手を入れてヨウコの胸を揉みしだく。
「マジでかいじゃん」
「巨乳好きだもんねー?」
「うるせーw」
「アミとどっちが好き?」
「この状況でその質問は卑怯だなw」
ヨウコも汗だくで、胸を揉むたびに汗で滑るのがやたらエロい。
だんだん乳首や横乳を攻めていくと、普段から想像できないいやらしい声が漏れ出した。
「お前そんな声出るの?」
「…あたし多分ドMだからねw」
「答えになってねーけど」
手を滑らせ、ヨウコのアレを触ると、ピチャピチャと音を立てる。さらに刺激を強めると「あっ!…」「んぁ…っ!」と声を出す。さっきのアミの音を思い出し、また絶望と興奮の混ざった感情が押し寄せる。
ふと、ヨウコが僕の目を見て。
「あたしはね、あんたが好きだった。でも仲よすぎて言っちゃいけないと思ってた。もし今日の一回だけだとしても凄く幸せ。あんたにその気がないなら明日からはまた普通の友達に戻るから、今だけはよろしく!!」
なんか、すげー可愛くみえた。
「お前、可愛いな」
「はっ!?」
「…好きだわ…」
ヨウコに入れた。
汗まみれの身体をはヌルヌルと絡み合って気持ちがいい。ヨウコの揺れる胸を揉みながら、あるいはヨウコが僕の首や指を舐めながら、ひたすら腰を振った。もう、本気で好きになってた。
夜が明け、起きた時にはヨウコは下のベッドに寝ていた。
ベッドを降り、ヨウコのほっぺたをつついて起こすと、まず第一声に「昨日の嘘じゃない?」と聞いてきた。「嘘じゃない」と答えると、嬉しさと恥ずかしさの混じったような満面の笑顔を見せた。
ずっと近くにいたのに、こんなかわいいことに全然気づかなかったなと、本当に驚いた。
タクは何も知らないようだ。
予想どおりの爆睡っぷりだった。
アミとユウキは平然を装っている。僕は帰りの車内で、ヨウコと付き合うことをみんなに伝え、どよめきと歓喜を一斉に浴びた。
なんだかんだでいい旅行だった。
ヨウコとは未だに順調に続いています。そろそろ結婚も視野に入れて話をしている最中です。