中学の時に好きなった男の子(Y君)がいました。特にかっこいいというわけではなかったのですが
勉強も出来るし、スポーツもそつなくこなせる人で、各部活の人からも一目置かれるような人。
私はいわゆるオタクっぽい子で、SF小説などにはまって、休み時間も教室や図書室で読むような子でした。
それに目が細く、下唇が腫れぼったくてお世辞にも可愛いとはいえませんでした。
母のすすめで中高と歯科矯正器具をつけていたのも見た目的によくは見えなかったと思います。
それとは裏腹に、自分で言うのもなんですが胸は中3でEカップあり、地味な性格と見た目もあって軽いイジメみたいなものもありました。
影でオタクだよな、とか言われるのはまだ良かったのですが、顔さえ隠せばエッチ出来るよなアイツwなどと聞こえるように言われたり。
でもY君は誰とでも仲良く分け隔てなく接してくれ、私とも普通に話してくれていました。
中3年の秋にちょっとした事件がありました。
体育祭の応援フラッグの絵を描くのに、私を含めたオタクグループが抜擢。押し付けられたというのが正しかったのですが。
当時流行っていたアニメ絵のチョイスにクラス(特に男子)からブーイング。
それを見て、ルーム委員だったY君は、今まで見たことのないような険しい表情と低い声で彼らに対し、
「絵描けないし~って押し付けたのはお前らだろ。不満なら自分たちで描き直せ。出来ないなら文句言うな」と一喝。
一瞬喧嘩が起こりそうな雰囲気になりましたが、普段のY君からは想像できない迫力に沈黙。無事に体育祭を終えました。
そんなこんなで卒業を迎え、Y君は進学校へ。私も彼と同じ所に行きたくて勉強もしたけれど同じ学科には行けず同じ高校の違う学科に。
高校は学科で棟が違い、私は女子クラスだったので接点が殆どなく3年間を過ごしました。
Y君は地元を離れ有名大学に行くということを聞き、気持ちを伝えるのは最後の機会だと思った私は思い切って気持ちをぶつけました。
中学での体育祭の一件が嬉しかったこと、目や唇のコンプレックスで話しかけるのに躊躇したこと、
私みたいに可愛くない子に気持ちを伝えられても迷惑だと思うけど、と半分泣きながら話しました。
それに対してY君は怒ってくれました。迷惑ではないこと、容姿のことで気持ちを内に向けるのはよくない事、
好きなことがあるんだから堂々としてればいい。
そして本当にコンプレックスで前を向けないのなら二重にするとかやってもいいと思う。
そういう人はいっぱいいるって。悪い事ではないよ。そう言ってくれました。
地元に就職した私はお金を貯めて、二重と唇を薄くする手術を受けました。
大きく変わったわけではないけれど、表情が明るくなったと家族や友だちに言われ気持ちも積極的になりました。
そして二十歳のお正月、成人式後の同窓会でY君に再会しました。彼は少し大人びていたけれど私の知ってる彼でした。
少し整形したことを報告し、お礼を言いました。近況を報告し合いかれも喜んでくれました。
次の日友人から連絡があり、夜にY君も含めた友人数人との食事に誘われました。
楽しく盛り上がった後、同じ方向だった彼に車で送ってもらうことに。
彼は当然お酒は飲んでいなかったけれど、私はテンションが高かったせいか少量なのに少し酔っていました。
そのままの雰囲気で車はホテルに。ビックリしたけれど拒否する理由は何もなかった。
初めてを彼に捧げることが出来て私は嬉しくて泣いてしまった。
とても優しくてとても安心できて、とても恥ずかしかったけれど、一生忘れないセックスです。
Y君は今、大手商社で海外勤務しているという話を聞き、投稿しました。