大学時代、安アパートに住んでいた。
ボロくて六畳一間だったが、一応台所と風呂場もあったし何より駅と商店街が近かったので生活するには便利だった。
引っ越して二・三日したとき、隣に引っ越してきたといって俺より少し年上の女性が挨拶に来てくれた。
彼女が挨拶の中で大学院に行っていると言ったので年上だとわかったのだが、メガネをかけた頭良さそうな雰囲気で少し暗い感じの女性だった。
勉強が忙しいのかほとんど家にはいないみたいだったが、たまに深夜帰ってくる足音が聞こえることがあったので「さすが院生は違うな」と思っていた。
あるときサークルの飲み会からの帰り、家に帰ってきて部屋の電気を付けると、見慣れた俺の部屋ではなかった。
あれ、なんで?と思い部屋の外のドアを見に行くと俺の部屋は「3」と書かれた3号室なのに、そのドアには「2」と書かれており、その女性の部屋だった。
鍵を開けたかどうかの記憶がないので定かではないが、多分女性が部屋の鍵をかけ忘れたのかもしれないなと思った。
偶然ではあったが、初めて見るその女性の部屋はこざっぱりしていて、正直寝に帰ってくるだけみたいだなという印象だった。
いつ帰ってくるかもわからないので帰ろうとしたが、室内のカーテンレールに角ハンガーで無造作に干されている女性の下着を見つけ、悪いとは思ったがしばし鑑賞していると、見た目の地味さからは想像もつかない派手な下着がいくつかあった。
「頭良くても彼氏とヤルことやってんだなぁ」と思ってとりあえず自分の部屋に戻った。(本当は一枚くらい拝借したかったが、頭の良さそうな女性だからすぐバレて面倒なことになりそうだったから我慢した)
それから何となく女性のことが気になってはいたが、彼女は俺が起きる前にすでにいなくて、帰りは俺が寝てるうちに帰ってきてるようだった(夜中に洗濯機を回している音がしたので何となくそう思った)
ある時飲み会だか麻雀したあとだか忘れたが、たまたま終電に乗ることがあり、駅で降りるとホームを女性が俺の前を歩いていた。
意を決してこんばんわと声をかけると、女性はビックリしたようだったが俺の事を覚えてくれていた。
歩きながら、いつも帰り遅いんですか?とかバイトですか?とか聞いてもはいとかえぇとかしか答えず、ほとんど俺が一方的に話かけてる感じだった。
それでもこれを逃したらたぶんもうめったに会わないだろうと思ったので(まぁ半分めったに会わないだろうしダメでも気まずくないしいいかなと思った)今度飲みに行きませんか?メアド教えてくださいよ!と言って携帯を出すと、意外にもはいと言って携帯を出し、赤外線でやり取りをした。
女性は丁寧に携帯にプロフィールを入力してあったので、下の名前が美奈子という名前だということだけでなく誕生日もわかり、25歳であることがわかった。
しかし俺からメールを送ってもだいぶ時間が経ってからしか返ってこず、最初は熱心に誘っていたが次第に飽きてしまい、あまりメールを送らなくなった。
ある時合コンの最中に急に美奈子さんから「今からなら空いていますが…」みたいなメールが来た。
正直めちゃくちゃかわいい子ばかりの当たり合コンの最中だったので断りたかったが、美奈子さんのほうからメールしてくるなんてことが今までなかったので泣く泣く合コンを抜け出して、アパートの最寄り駅で待ち合わせ、近くの居酒屋に入った。
酒が入ってもあまり美奈子さんの口数は多くなかったが、とりあえず会話の中でわかったのは、今まで勉強ばかりで遊んだことがなく、彼氏もいたことがないことくらいだった。
それでもそれをきっかけに月一・二回くらいたまに予定があうと飲みに行くようになり、次第に話してくれるようになり、俺は美奈子さんが好きなのだとわかった。
半年くらい経ったとき、美奈子さんの誕生日に俺はサプライズでケーキを買って帰りを待った。
案の定ギリギリ日付が変わらないくらいに足音がしたので、俺はケーキを持って美奈子さんの部屋を訪ねた。
美奈子さんもビックリしていたが、メアドを交換したときに誕生日がわかったんで…と説明し、好きですと言ってケーキを渡して部屋に戻ろうとすると、引き止めて部屋にあげてくれた。
酒は出てこなかったが紅茶を出してくれて、26歳の誕生日おめでとうございますと言うと美奈子さんはポロポロと泣き出してしまった。
突然のことにどうしたのか聞くと、昔から勉強ばかりであまり友達もおらず、誰かに誕生日を祝っておめでとうと言われるのは初めてだったので嬉しかった…と泣きながら言うので、俺はついかわいく思え、ギュッと抱きしめてしまった。
美奈子さんもギュッと俺に抱きつき、そのままキスをした。
そのまま服の上から胸を揉むと、もうそれだけで美奈子さんははぁはぁと息が上がり、下に手をのばすとシャワー浴びるからちょっと待ってと言われ浴室に入ってしまった。
俺もいきなりの展開にドキドキしたが、一応Tシャツにトランクスで待っているとバスタオルを巻いて美奈子さんが出てきた。
それからはお互い会話はなく(電気を消されたし、興奮していたのでよく覚えてないだけかもしれないが)、ゆっくりと愛撫していくと、胸を愛撫していただけで急にイッてしまった。
本当に経験ないんだな…と思い、下に手をのばすとかなり濡れていて、ずっと恥ずかしいと言っていたが、俺はガマンできなくなり、ゆっくりと挿入していった。
挿入は意外とすんなり入ったが、キツくてそれだけでこっちがイキそうになったが、突くと美奈子さんが痛いと言うのでゆっくり動いていった。
ゆっくり動かしていたので幸いすぐに発射することはなかったが、ゴムもしてなかったので今更言えず、結局お腹に出した後美奈子さんはギュッと抱きつき、俺に「私を好きになってくれてくれてありがとう。」と言った。
当時の美奈子さんは、今俺の嫁になっている。