俺の大学時代のサークル仲間のトモ、同い年で卒業と共に先輩と結婚した。
皆と毎年ではないが、サークルの合宿の様にOBでの泊まりに行っている。
学生時代は色気も無く、正直興味は無かったが年と共に段々と色気が出て来た。
学生時代は男友達の様に接しており、それは年を経ても変わらなかった。
因みに旅行には先輩も来る。
俺は酒に弱くてある程度呑むと必ず温泉に浸かり汗を流す。
アルコールを抜きたいってのもあるが、効果は解らない(笑)
この日も温泉に浸かり、汗を流しに行こうとしたらトモが先輩と夫婦喧嘩を始めた。
比較的いつもの事なので誰も気にしない。
俺もそれを放って風呂場に向かった。
ドスドスドスッて怒りを足音に込めてトモが後ろからやって来る。
「また喧嘩かよ~」なんて笑いながら言うと、トモも苦笑いを浮かべながらま~ね~なんて言っている。
トモは頭を冷やす為に風呂に入るつもりらしい。
じゃ~一緒に貸し切り風呂に入るか~なんて笑いながら冗談で言った。
「お~解った!良いよ」と返事が来たが本気にはしていなかった。
ハハハって笑って返事をすると、ちょっと待ってて、と言う。
何か忘れもんか?と待つ事数分、手には鍵を持っている。
部屋の鍵にしては変な札が付いてるな~って手元を見てると、風呂はこっちだって~と俺を通り越してズンズン進む。
「風呂こっちにもあんの?あっちじゃね?」
トモの後を付いて行ながら質問した。
こっちには露天風呂か何かあんのか?って感じで。
「え?これ?貸し切り風呂の鍵」
誰が入んの?と真顔で聞く俺にトモはアンタとだよ!と返事をした。
別々だよね?と聞けば知らない!と返事。
何か知らんがマズイ事になってね~か?ってのが俺の気持ち。
いざとなれば戻ろうと付いて行くと貸し切り風呂が。
勿論家族風呂だから別れてなんか居ない。
慌てて俺は先輩も居るんだから…と戻ろうとしたが、怖いから一人では入れないし、別にしん君なら気にしないよ、と言う。
多少問答したが、結局入る事になった。
コイツ酔っ払ってんのか!?それとも俺は男だと思われてないのか?って感じ。
体を流してトモはさっさと湯舟に入る。
俺は一緒に湯舟は…と思い体を洗ったり頭を洗う。
洗い場で寒い思いをしながら待ってると、湯舟に入らないの?と誘われた。
一応遠慮していたが、マジで風邪を引きそうで限界だったので入る事にした。