学生時代、地方出身の俺はほんと貧乏でさ、一応仕送りはきてたけど、生活するのがやっとだった。
バイトとかしても、友達と遊びに行くとか、旅行に行くとかが全然できなかった。
学生時代、唯一良かったことと言えば、セックスに困ったことがなかった、それだけだった。
俺は安アパートの107号室だったが、二年に進級する少し前の三月、空き部屋だった110号室に女性が引っ越してきた。
郁子さんと言う、29才のOLさんだった。
ちょうど俺より10才年上で、小柄でちょっと小太りと言うかポッチャリの、愛嬌がある可愛らしい女性だった。
金がない俺は、いつもろくな物を食ってなくて、買い物した物を見た郁子さんは、俺の食生活がわかったのか、時々差し入れとか、おかずを作っておすそ分けを持ってきてくれるようになった。
そこから一緒に食事するようになり、やがて男女の関係へと。
金がない俺は当たり前のように童貞で、郁子さんにリードされて童貞卒業。
どうして俺みたいな貧乏学生によくしてくれるのか不思議で聞いてみたら、真面目に学校行って、バイトも頑張ってる俺のためになってみたいと思ったと言った。
好きとかの恋愛感情はなぜか俺にはなく、郁子さんも多分恋愛感情みたいなものはなかったと思う。
ポッチャリしてて、胸も片手に収まり切らない、揉みごたえ十分。
柔らかくて、どこもプヨプヨしてて、最高だった。
二年の秋くらいから関係が始まって、ほとんど同棲みたいな生活、お互いの部屋を行き来して、郁子さんが俺の部屋に寝たり、俺が郁子さんの部屋に寝たり。
俺が帰省していなかったり、郁子さんの仕事の都合でいなかったり以外は、毎日してた。
郁子さんが生理でも、かまわずしてたし、郁子さんも嫌がることがなかった。
恋人同士みたいに、映画行ったり、食事に出たりなんてことは一回もなかった。
せいぜいスーパーに一緒に、しかもたまに行くくらい。
アパートには他の住人もいたが、関係なく、目を気にすることなく行き来した。
郁子さんに彼氏がいた様子はなかった。
毎日決まった時間に帰ってきて、休みは俺がバイトから帰ると必ずいた。
大学卒業して、半年くらいたったとき、郁子さんは地元に急に帰るといって引っ越し。
三年近い郁子さんとの生活にピリオド。
時々郁子さんから電話はきてた。
一年くらいして地元で結婚すると電話がきたのが最後。
時々郁子さんどうしてるかなと思い出す。