この子とならHしたいかも…なんて考えてしまう、駄目な私…。
でも我慢なんか出来なくて、抱きしめ返してしまった。
彼は少し驚いたような動きをしてから、優しく強く、抱きしめてくれた。
私が手を少し緩めると、彼も緩め、顔を見ようと上を向くと、キスをされた。
軽いキスを何度もして、唇を離す。
視界に入った彼の顔は真っ赤で、恥ずかしいような嬉しいような顔をしながら少し離れ、口を手で押さえた。
その姿が何とも可笑くて、私は笑ってしまった。
「わっ笑わないで下さいよっ…俺、なんかスゲェ必死なんですから…」
私が謝りながらも笑い続けると、呆れたような優しい笑顔をしてから、私を抱き上げた。
流石にビックリして笑いもやみ、彼にしがみつく。
「ちょっと降ろしてよ~こわい…」
訴えると笑いながら
「嫌です、降ろしません。大丈夫ですよ、落としませんから」
と軽く言われた。
仕方がないからしがみつくのをやめて彼の顔を見ると、また軽いキスを沢山された。
もっとして欲しくなってしまったから
「今日、泊まっていかない?」
と聞くと
「良いんですか?!」
と叫ばれた。
あまりの嬉しそうな顔に照れてしまったので、またしがみついて顔を隠しながら
「ヒデちゃん(バイトでの彼のあだ名)が良いなら」
と言うと、静かに身体を降ろされ
「ちゃんづけで呼ばないで下さい」
とふてくされられた。
私がまた笑い出すと彼は私の腰を、まるで荷物でも運ぶかのように持ち、寝室まで行ってベッドに降ろした。
「ちゃんづけで呼ばないで下さい」
今度は少し真面目な顔で言うから、私は頷いて
「ヒデが良いなら」
と言い、ベッドに寝転がる。
彼は満足そうな顔をして、私の横に寝転がるとまたキスをした。
今度は軽いキスじゃなくて、深いキス…でも、様子を伺ってるみたいな、静かなキス。
暫くそんなキスをしながら、優しく身体を撫であうと、彼が顔を離す。
顔は何だか複雑そうな表情で
「どうしたの?」
と聞くと、
「俺、一応[順]を踏みたいんですけど…」
との答え。
思わず笑いそうになった私は、やっぱり駄目な奴。
軽いキスを1度して、
「ぁゅさんは俺が好きですか?」
と真顔で聞く。
嫌いと言えば嘘になる、実際バイトしてる頃から目で追ってた。
「好きだよ」
答えると
「俺も好きです」
と、また軽いキス。
「俺と遊ぶ気ですか?」
と真顔で聞く。