俺ナ、最後の言葉もなくて、最後の後ろ姿を憎しみバキューンで送り出せたんだったら
こんなに苦しくなかったと思ってたんだよ、自分のこと。でもな、そうじゃねーん
だよ。俺が虚しくなってどうでもいいって言ってたって、どんな形だって別れんの
は辛かったんだよな、やっぱ。忘れたいって思うことが、忘れられないってことな
んだしよ。ずっと潤と離れてて、思い出すなって思ったり、思い出せ逃げるな向き
合えって声も聞こえるしで、正直俺は混乱した。多分今のお前も似たような感じな
んじゃないかって思う。俺何も出来ないかもしれないけど、何かあったら絶対に言
えよ。拓斗は一人で全部背負いすぎる時があるから。タコのくせに。八本手がある
からって全部自分で持とうとするんじゃね―よ。お前は俺をお姫様抱っこするぐら
いで十分なんだよ急患鳥!
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