続き(2)
自分が女として、生まれて初めて男の人とキスをした余韻に浸りながら、私はAさんをベッドに誘いました。
セクシーなランジェリー、ベビードールという娼婦のような姿になると、上着の女装とは違った気分になります。
そうです、エッチな気分になる。
部屋の電気を薄暗くすると、フロアライトがパープルだったかな? 妖しくチカチカするのが刺激的でした。
ベッドでの行為に臨む前に、私は一番気になることをAさんに伝えました。
それは、その行為の最中、ウィッグがズレたり外れたりすることです。
丁寧に扱ってくれるようお願いしました。とても優しい方だったので、心配はないと思いましたが念のために。
私には夢がありました。
勃起した男性器を、自分が女として口に含みたい。自分の口の中で男性器がムクムク膨らむ感触を楽しみたい。
“フェラチオ” という言葉。
ああ~! なんと甘美な響きでしょう?
Aさんの男性器を最初に触れた時から、私は強迫観念のようにフェラチオのことを考えていました。
アソコを舐めてみたい...。そこを獲物のように狙っている淫らな女。
しつこいようですが、繰り返します。私の普段はノンケの普通の男です。恋愛対象も、性欲の対象も、異性である女性なのです。
それが女装すると男性といたしたくなるという不思議。女の姿になった自分は、これから勃起した男性のアソコを口に含もうとしている。
これは、自分の人生観が変わってしまうほど大変なことかもしれない。
快楽に耽け、情欲に溺れ、その果てに待っているものは?...。 女としての自分は色情狂ではないだろうか?
ところが現実はそんな単純なことではなく、私もAさんも、素人同性同士の愛の営みは初体験。二人はまだ未熟だったのかもしれません。
Aさんは素人の女装男性を、私は純男を相手にどう接していいのか?
女装者にも様々なタイプがあると思われますが、大多数の女装者は受け身でマゾヒズムの性向を持っていると思われます。当然、私もそうで、男性側からアクションを起こしてほしい。
男性にリードしてもらいたい。
ベッドの上で横になった私は、ジッとAさんの出方を待っていました。
パンツ一丁になったAさんは、男性にしては色白でややぽっちゃりしていました。例えるなら、笑点を卒業された、太っていた頃の、二代目林家三平のような感じ。あんな陽気ではありませんが、真面目そうな男性です。
Aさんは、恐る恐る横になっている私の上に覆い被さってきました。
ぎごちないながらも愛撫が始まる。
続きます。
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