送迎のお仕事を始めても相変わらず週一のホルモン注射は止めませんでした
射つと胸焼けしたみたいな感じになるし、身体も重くなりますし情緒不安定になります
射たないともっと気分悪くなるし不安になります
ホルモン注射で感度が上がった乳首は送迎のお仕事ではシャツなので擦れてエロい気分になりやすかったです
この当時はエッチな気分になると我慢して、休日ディルドで慰めてました
そして26歳になる頃にはクラブやキャバクラのボーイさんとか店長さんの顔見知りも増えて、クラブの店長さんからお店でボーイとして働いてくれないかと誘われました
僕は周りに自分の身体や性癖の事を隠していなかったので、一応店長さんにも確認したら全然大丈夫と言われました
給料も送迎よりだいぶ良かったので即決しました
ボーイですけど髪型も自由だったので長い髪は後ろで結び、Yシャツの下はスポーツブラで刺激防止して透けない様にベストにスリムなスラックスで出勤してました
女の子達に初日紹介されると、僕は普通のボーイさんの雰囲気ではなかったらしく、何だかあっという間に僕の素性は知れ渡りました
けどイジメられる事もなく逆に皆に気さくに話しかけられ女の子同士の様に仲良くしてくれました
お店ではドリンク作ったり、受付したり、リストしたりと忙しかったですけど充実したお仕事でした
そして1日終わると売上を計算してお店のラスト付近に来られる店長さんにお渡しして終わりという流れを半年くらい続けてました
お店の女の子の中に1人30代半ばのお姉さんが在籍してて、源氏名はユウさんで本名も夕貴(仮名)さん、30半ばの浅野ゆう子みたいな美人で関西弁の喋り方が珍しく、何かと優しくしてくれて僕がいつも1日2食生活でしかもシリアルしか食べてない事を知ると久々に誰かにこっぴどく叱られました
後日、お仕事終わりに夕貴さんの自宅に招待されて手作りのご飯をご馳走してくれました
恐らく数年ぶりに白いご米とお味噌汁とおかずのご飯を食べました
幸せでした、ちょっと涙が出る位他人が目の前で作る料理は久しぶりでした
お礼はお金で渡そうとするとまた更に怒鳴られました
僕は長い事まともな社会生活を送ってきてなかったのか感覚がまともではなかったかも知れません
それから夕貴さんに栄養管理され青白かった僕の顔は白いのは変わらないけど健康的になっていったのでした
そんな日々も半年以上過ぎ、その日は夕貴さんの誕生日と履歴書見て知っていたので高級品ではありませんがバカラの赤いネックレス
を買っておきました
お仕事終わりにいつもの様にご飯に呼ばれていたのでお店の掃除を終わらせ向かいました、ご飯も美味しかったです
食事終わりに夕貴さんにラッピングしてもらった箱を渡しました
「夕貴さん誕生日おめでとうございます、これは純粋にプレゼントで現金じゃないから大丈夫ですよね?」
そういうと夕貴さんは
「嬉しいわぁー、何?高いもんちゃうやろね?私なんかに高いもんなんか勿体ないでー」
とか冗談混じりで笑ってたけど本当に嬉しそうだったので心底ホッとしました
夕貴さんは丁寧に包みを開けると
「バカラやん、私好きやねん何で知っとるん?」
バカラは夕貴さんの食器棚にグラスや小物が飾ってあったので、好みだろうと思ってたし、好きで所持してたらネックレスもしてるだろうけどプライベートでしてる所見たことなかったのでそれに決めました
僕は「喜んでもらえますか?怒られません?」
夕貴さん「ありがとう!一生大事にするわ!ほんまに高かったんちゃうの?」
と言ってたので遮って、夕貴さんの後ろにまわり首にネックレスをかけてあげました
「とっーても似合ってますよ」
僕がそういうと夕貴さんはまだ肩においてた僕の手を握って
「ほんまにありがとう…でも〇〇ちゃん(僕の名)ほんまに何で?私ご飯位しか出してないし、おばさんやで?何も見返りないで?」
夕貴さんの肩越しにキスしました
「僕は夕貴さん大好きなので、これで十分見返りですよ」
笑いながら言って、シバかれるかと思ったし何て恥ずかしい事言ってるんだろうとその場で赤面する位でしたけど
夕貴さんは僕以上に赤くて両手で頬を抑えて悶えてました
「あんた本気なん////?年上やで?本気なるよ?いいん?」
椅子から立ち上がり凄みを見せ様としてたのでしょうが、また思い出したらしく床に膝から崩れて上目遣いにまだ凄みというか睨みを効かせてました
何だか冗談とも言えないし、嫌いでもないし、ご飯美味しいし、本当に好きだし…何より関西弁も可愛いし、今のドギマギしてる姿も睨む顔も可愛いし………
僕は
「逆に良いんですか?」
「僕は元々男性に抱かれる様なお仕事に就いてたし、見た目も男らしいとは正反対、腕力も人並み以下で、子供だって恐らく出来ないし、身体だって」
冷静に考えてくれれば断られると思って言ったけど夕貴さんは今度は僕の言葉を遮って
「ええよ///私も子供苦手やし、あんたの事好きやし///」
「まず、好きでもない男部屋に入れへんわ!///」
ここら辺の記憶はあまりにも嬉しくて夕貴さんの一言一言をしっかり記憶してます
僕は初めてここまで女性から好意を向けられた事がなかったので、色々恥ずかしくなり、その日は平常心を装って夕貴さんを席に戻し、いつも通り食器を洗い挨拶してお暇しました
帰りがけにいつもは明るく挨拶してくれる夕貴さんが僕の指先をキュッと握って
「〇〇ちゃん…気ぃつけて帰り…もうほんま///恥ずいわ///」
玄関ドアが閉まりエレベーターまで歩く間もホワホワして車に乗り込もうとして家の鍵使おうとしてる位にテンパりました
家に帰ると1人で思い出して脚をバタバタしてたのも憶えてます
次の日はお休みで、夕方に目を覚ましいつも通り煙草の煙を燻らせコーヒー飲んでボーッとしてました
考えるのは昨日の恥ずかしい事ばかり…
夜中までボーッとしてると夕貴さんからメールが着ました
“今、仕事終わったけど
あんたん家行っていい?
どうせご飯シリアルやろから
私作ってあげるよ?”
シリアルどころかボーッとしてたのでコーヒーと煙草以外には口にしてませんでした
“ありがとうございます(^-^)/
嬉しい( 〃▽〃)
僕のマンション〇〇ですけど
わかりますか?”
送ると
“前話してた所の近くやろ?
知ってるから部屋番だけ教えて”
部屋番を伝えて僕はまたドキドキとそわそわが止まらなかったです
それから30分くらいでインターホンが鳴り、買い物袋を1つ持った夕貴さんが玄関前に立ってました
ドアを開けて中に招き入れると一言めに
「うぁぁ…あんたん家何も無いな…声が響くやん」
部屋は以前お金がなかった頃のアパートから引っ越し2LDKのマンションに引っ越してました
広すぎではありました
元々荷物は少ないし、お皿もシリアル入れるお皿1枚とスプーンと箸1膳だから食器台もないし家電も1人用冷蔵庫とテレビ1台、服も仕事様のスーツ3着とプライベートの服4~5着だから、後は化粧台があるだけだからリビングですべて事足り2部屋空でした
続きます。
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