「ゆう、女の子だったんだ…」
「うん…ごめんね、今まで黙ってて…ゆう、ここについてても
女の子だもん…」
「ゆう…」僕は、ゆうのことが何だか急に愛おしくなり、
ゆうの体をぎゅっと抱きしめた。女の子の格好をしたゆう、
でも抱きしめながら感じる匂いは、
僕が小さい頃からずっと知っているゆうの匂い、
僕が何より大好きな匂いそのものだった。
ゆうが、僕の腕の中で言った。
「ひろ君、もし、このまま僕が女の子になったとしても、
このまま僕と、今までと同じように、
ずっとずっと一緒にいてくれる?」
「うん、一緒にいるよ…男の子でも女の子でも、
ゆうはゆうだもん。当たり前のことを聞くなよ…」
そう言いながら、なぜか僕は、涙があふれてきた。
僕たちはしっかりと抱きしめ合った。
「ひろ君、大好き…」
「僕もだよ、ゆう…」
僕とゆうは、自然の成り行きで唇を重ねた…。
僕の、そしてゆうにとっても、記念すべきファーストキスだった。
僕たちは、並んでベッドに座った。
「ひろ君、ゆうが僕っていうの、今日で最後だよ…」
ゆうが言った。
「あとね、ひろ君とは、今までは幼馴染で親友だったけど…」
僕は、ゆうを見た。
ゆうの顔が何だかいつものおどおどした感じではなくて、
何か決然としているのを感じた。
「今日から、わたしは、ひろ君の恋人だよ…」
僕たちはもう一度抱きしめ合い、唇を重ね合った。
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