(続き1)
・・・限界でした。
女装姿で一心に自慰にふける哀れな姿を晒してもいい。
射精する瞬間の惚けきった表情を嘲られてもいい。
今はとにかく欲望のままに自慰に耽って、思いっきり快楽に溺れたい。
私は性欲に抗えない悔しさに俯いて唇を噛むと、タイツを脱ぐためにスカートの中に手を入れました。
しかしタイツに手をかけようとした瞬間、彼の手が私の顎を掴み無理やり彼の方へと顔をあげさせます。
「何勝手にしようとしてるんだ。きちんとお願いしろ」
別に私には、彼の言葉に従ういわれはありません。
ただでさえこれから、浅ましい自慰姿を晒すというのに、何故その行為の許可まで求めなければいけないのか。
これまでずっと我慢したのだから、彼の言葉など無視して、一時でも早く快楽に溺れてしまえばいいはずです。
でも私には、彼の言葉を無視することが出来ませんでした。
それはこの時、理屈ではなく本能で理解させられたからです。
彼のような男こそが、女を孕ませる権利を持った『雄』だということ。
私みたいなのは、男になり損なった女々しい『雌』にすぎないということ。
そして『雌』である私にとって、強い『雄』に従う事こそが幸せであるということ。
そう本能で理解させられた私は、彼に従う事が出来る幸せを肌で感じながらその言葉を口にしました。
「お願いします。オナニーさせてくださいっ!!射精させてくださいっ!!」
その頃はまだ全く躾けのなっていない私の、それでも精一杯の懇願でした。
そんな私の情けない姿に満足してくれたのか、「簡単にいくなよ」とだけ言うと彼の手が私から離れます。
私は今度は俯くことなく、彼の視線を意識しながらスカートの中に手を入れると、腰を浮かせタイツごとショーツを膝のあたりまでずり下ろします。
続けてスカートの裾を捲り上げると、外気に晒された私のオチンポは、見たことがないほどパンパンに張っていました。
触れただけでいってしまうのではないかと怯えながら、恐る恐るいきり勃ったオチンポに手を添えます。
軽く擦っただけで目が眩むような快感が体中を駆け巡りました。
危うく果ててしまいそうになるの体を固く強張らせて、何とか我慢します。
「フゥーッ、フゥーッ、フゥーッ」
大きく息をしながら、快感の波が引くのを待ってゆっくりと手を上下させていきます。
手を動かすたび生まれるはじけるような快感に、私は歯を食い縛りながら耐えました。
(このままじゃ、ダメになる)
私は少しでも刺激抑えようと、手の動きを緩めます。
そう、たしかに緩めたつもりでした。
しかし実際はそんな私の意思とは裏腹に、手の動きが徐々に激しさを増してしまいます。
そんな思い通りにならない自分の体に混乱している間も、快感の波がどんどん打ち寄せてきます。
そしてその波に飲まれるように、私は何も考えられなくなっていきました。
気づけばそこには、さっきまで躊躇していたのが嘘のように、一心不乱に自慰行為に没頭する女装子の姿がありました。
不意に私の口元に、固く冷たい感触が触れます。
それは、先ほどのアダルトショップで購入したディルドでした。
私は手淫を止めることもせず、目線だけを彼へと向けます。
「咥えろ」
手に持ったディルドを私の唇に押し付けながら、彼が言います。
その時の私にはもう抵抗する意志など一欠片もなく、それどころか、彼に命令してもらえることが嬉しくてたまりません。
私は目を閉じると、口を開き精一杯舌を突き出します。
そして舌に乗せられたディルドーの感触に胸を高鳴らせながら、口内へと舌を引き戻す動きに合わせてディルドを咥え込んでいきます。
まだ御奉仕の作法を何も知らないこの時の私は、リアルに作られたディルドに浮き上がる肉々しい血管を舌に感じながら、とにかく必死に頭を振りました。
「んっ、んっ、うぁ、うっ、ぐぇっ、ん、ぅんっ、ぷはっ、ぅぐ、んっ」
時々、勢い余って喉を突く苦しさも、お気に入りのブラウスにダラダラと涎が垂れることも気にせず、
グロスで彩られた私の口は、いやらしい水音を響かせ続けました。
続きます
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