あの日、お互い気まずくならないで済むように、対処したつもりでいる。
たぶん、あの対処は間違っていなかったと思うし、事実その後の仕事に何ら支障をきたす事はなかった。
寧ろ、お互いの距離が縮まったのか、意思の疎通が以前よりスムーズになった様に思う。
仕事をする上では何ら問題ない。
だけどクリスマスから約1ヶ月、何の進展もない二人の関係に、俺は焦っていた。
カミングアウトして吹っ切れたのか、距離が縮まった影響か、たまにゲイネタや下ネタをぶっ込んでくる様になった彼。
その度に、彼の体への興味が増していった。
俺にキスしてた時の顔、その後の目を見開いた顔、一緒に寝ようと誘った時の顔、各々の顔が鮮明に頭に浮かんできた。
このまま何もしなかったら、俺を慕ってくれてる彼の気持ちが、いずれ他に移ってしまう。
いちいち愛らしい行動をする、男なのか女なのかわからない彼を、他の男じゃなく、自分の手で汚したい欲求。
彼の全てを支配したい欲求。
そう思う程、ゲイ、BL、同性愛、等のワードをネットで検索する事が増えた。
ゲイ物の動画を観たり、BL物の読物を読んだりした。
そう言う人や世界感に偏見はないし、差別する気はない。
だけど、俺が求めてる物とは違った。
そして中性的な男、女装、男の娘と言うワードを漁る様になった。
色んなサイトやブログ、動画や画像を片っ端から観た。
俺が求めた世界感はたぶんこれだ。
自分が求めた世界感にハマッたと言っても、俺の興味は俺を慕ってくれてる彼への物であって、彼に対する支配欲だ。
単に女装娘とセックスがしたいわけじゃない。
どうやって彼を口説くか悩んだ。
男を口説いた事なんて一度もないし、男に興味を持った事もない。
それに雇い主と雇い人、1歩間違えればパワハラになりかねない。
そんな悩みを抱えた1月の末、いつも通りに1日の作業を終えて家で雑談をしながら過ごしてた。
そして、ずっと気になっていたシンプルな質問をした。
「お前、女装とかするの?」
「自分ではしないけど、文化祭でした事はあります」
高校の文化祭で女装なんて俺の時代には考えられなかった事が本当にあるんだろうかと疑った。
若い女装娘のブログや体験談で、何度も読んだ女装の入り口。
大学ならまだしも、何かとうるさいこの時代に、学校や保護者達がそんな出し物を許可するんだろうか。
「それ本当?」
「家に写真がありますよ」
世代の違いを痛感しながら一人で興奮してた。
文化祭の女装コンテストで、3年連続グランプリに輝いたらしい。
その写真は是非見てみたい。
「女装娘が好きなんですか?」
「ただ気になっただけ」
「見たいですか?」
「見たい」
「でも化粧出来ないし、洋服とか持ってなくて」
俺は写真を見たいと答えたつもりだった。
彼は生で女装を披露する気なのかもしれない。
「ずっと気になってたんですけどいいですか?」
「なに?」
「男もいけるんですか?」
返す言葉がなかった。
男もいけるかと聞かれれば答えはノーだけど、彼とならと聞かれれば答えはイエスになる。
俺から抱き締めてキスもしたんだから、何をどう思われても仕方ないし、言い訳をする必要もない。
あの日以来、彼が気になって仕方ない事を正直に伝えた。
口を半開きにしたまま動かなくなった彼を見ながら、伝えたのは不味かったかと思った。
直後、慌てて席を立った彼が部屋を出ていった。
足音と扉の音でトイレに入ったのはわかった。
急にトイレに駆け込んだ理由も、トイレで何をしていたかも解らないけど、暫くして戻ってきた彼の顔は明らかににやけていた。
「今日は帰ります」
そんな事があった次の日から、仕事中はいつも通りだけど、1日の作業が終わると、直ぐに帰宅する様になった彼。
また先走った事をしたかと後悔しながら、二週間ほど経った2月某日。
この日の作業を終えて、直ぐに帰宅した彼が家に戻ってきた。
「明日、誕生日ですよね?」
「うん」
「明日の夜は彼女さんと一緒ですよね?」
「うん」
「今日は忙しいですか?」
「暇だけど」
「だったらお祝いさせてください」
矢継ぎ早に質問をした後、つまみと酒の入ったスーパーの袋、ケーキの箱、普段使ってるバックより大きいバックを持ってリビングへ向かう彼。
彼の急な計らいで始まった誕生日パーティー。
予想していなかった分、歓びも大きい。
ただ、いつもよりよそよそしい彼の態度が気になっていた。
ケーキの蝋燭を消して乾杯した後、バックから取り出したプレゼントを渡された。
給料を払ってる俺が言うのは変だけど、彼の収入からしたら高価過ぎるプレゼントに泣きそうになった。
それから暫く飲んでると、少し酔った彼が封筒を手渡してきた。
手紙かと思いながら中を確認すると、文化祭の時の女装した彼を写した写真が数枚。
確かに彼だ。
彼だけど女だ。
周りに写ってる本物の女子校生より可愛い彼に完全に魅入っていた。
「それあげます」
貰ってどうしろと言うんだろうと考えながら、素直に嬉しく思った。
にやけて気持ち悪がられても困る。
出来るだけ真顔をキープしたままお礼を言う。
「あと1つプレゼントあるから待ってください」
緊張した様子で大きいバックを持ってリビングを出ていく彼。
流れ的に、生で女装を披露する気なんだろうと考えた。
願ってもない事だけど、それを見てどう反応していいか、シミュレーションを繰り返す。
理性を保てるか不安になってきた。
何度シミュレーションしても、彼を押し倒す結末にしか至らない。
何度目かの俺に押し倒された彼のイメージがわいてきた時、扉の向こうに彼の気配を感じた。
「あっち向いててください」
素直に従う事にした。
背後に彼が立ったのがわかる。
なかなか振り向いていいと言わない彼に痺れを切らして振り向いた。
絶句した。
写真に写っていた彼が目の前にいた。
俺は座っていたから、正確には目の前にあったのはワンピースとニーハイの隙間。
女装した彼の絶対領域だった。
「僕の女装見たいって言ってたんで」
「……」
「引いてます?」
「可愛さに引いた」
目の前の絶対領域に釘付けになったまま、上手く返せずにいた俺が引いてるんだと心配する彼。
彼と知り合う前の俺が、彼以外の知り合いの男に同じ事をされていたら結果は違ったかもしれない。
ただ、この時の俺は単純に言葉を失うくらい興奮していた。
それと同時に疑問がわいた。
化粧は出来ないと言っていたのに、軽く化粧している彼。
洋服もないと言っていたのに、ワンピースとニーハイを身に付けている彼。
そして真冬なのに、夏物のワンピース。
疑問をぶつけると、恥ずかしそうに答えてくれた。
この二週間、家族の目を盗んで化粧の勉強と練習をしていたらしい。
夏物のワンピースは、夏物のワンピースだったら、すぐにはバレないと思って姉の部屋から盗んてきたらしい。
「恥ずかしいし飲みましょう」
自分が男と飲んでるのか女と飲んでるのかわからなくなった。
彼は本当は女なんじゃないだろうか。
下着はどっちだろう、その下着の中はどうなっているんだろう。
たまに開いたり閉じたりする、股の部分に視線が向く。
女装したまま、酌をしてくれる彼には悪いけど、全く酔えなかった。
一方、恥ずかしいのを誤魔化す為か、俺のペースに合わせて飲む彼は、既に酔っていた。
「全然、酔わないですね」
「酔わせてどうしたい?」
「何考えてるんですか?」
やっぱり酒乱の気があるかもしれない。
やたら絡み始めた彼。
絡んでくるのはかまわないけど、理性を保てる自信が無い。
「お前のパンツが気になって酔えない」
「エロい」
エロさ全開で酔ってるヤツに言われたくなかったけど、俺がエロいのは事実だ。
「見たいですか?」
「見せなくていいけど」
強がった。
見たくてたまらないけど、もしパンツまで女装してたら問答無用で彼を押し倒してしまうと思った。
「チラッ」
自分の行動を擬音化しながら、ワンピースのスカートを少し捲った彼。
体をくねらせながら、意地悪そうに笑ってる姿に興奮する。
捲ったスカートの方に視線を向けると、少しだけ見えてる彼のボクサーパンツ。
「姉ちゃんのパンツは流石に無理です」
それはそうだろうと思いながら、少しだけ残念に思った。
その残念な気持ちが、露骨に顔に出てたかもしれない。
「ガッカリしてるし」
「少しだけ期待した」
「これでも頑張ったんです」
頑張りすぎなくらい頑張ってくれたのはわかる。
だけど、その意図が解らない。
単純に、女装を見たいと言った俺を喜ばそうとしたのか、それともその先を望んでるんだろうか。
たぶん、両方だろうと勝手な解釈をして彼を抱き寄せた。
彼の鼓動が伝わってきた。
単なる興味じゃない、彼を自分の物にしたいと言う明確な欲求を満たす為にキスをした。
舌を絡めようとすると、やっぱりぎこちなく舌を絡めてくる彼。
それが愛しいと思いながら彼の舌に吸い付いた。
彼の鼓動が更に早くなって呼吸も荒くなってきた。
このまま先に進んで平気か確認する為に口を離して、彼の顔を見る。
拒否反応は無い。
その先を望んでる顔にしか見えない。
たとえ拒否されたとしても、俺の気持ちを抑えるのは不可能だっただろうと思う。
そのまま、彼と寝室へ移動してベットで横になった。
相手の体が男だからといって、特に戸惑う事はなかった。
寧ろ、生物学上は俺と同じ体だけに、女の体よりも扱いやすい。
耳や首筋を舐めながら乳首を責めた。
女みたいに声を出したり、激しく感じる事は無いけど、擽ったさに堪える様に小刻みに震えながら、たまに体に力を入れる感じ方が、女のそれより現実的でいい。
固くなった乳首の周りに舌を這わせると、確実に彼の反応が変わった。
余計な肉が無い分、鼓動がハッキリ伝わってきた。
男の乳首を舐める事が、こんなに興奮するなんて思わなかった。
暫く彼の反応を楽しんだ後、彼の股間に手を伸ばした。
パンツの上から触れようとした瞬間、彼が俺の手を強く掴んできた。
「やっぱり恥ずかしいです」
「今日はやめとく?」
少し間を置いて、俺の手を掴む力を抜いた彼。
自分以外の物を触るなんて、初めての経験だ。
彼と同じくらい俺も緊張してたと思う。
恐る恐ると言うと変かもしれないけど、パンツの上から軽く指先で触ってみた。
ガチガチになってる彼のチンポは一先ず放置して、パンツの上から玉を擽ってみた。
擽ったさを我慢しながら、腰を逃がす彼の反応が可愛くて暫く遊んでみた。
更に固さを増した様な気がする彼のチンポを根元から亀頭まで擽る。
一番反応が良かった部分を擽り続ける。
同時に乳首も舐めた。
パンツの上からでもわかるくらい、チンポの先を濡らしてる彼。
パンツの中に手を入れて直接触る。
チンポってこんなに熱いのかとビックリするくらい熱を持った彼のチンポを握る。
既にベトベトになってる手のひらで彼の亀頭を包み込んで撫で回してみた。
荒い呼吸に混ざってたまに声を出す彼の反応が面白い。
今までした、どんなプレイより興奮してる俺。
多くの人が女装娘とのセックスにハマる事に納得した。
「それダメです」
「やめてほしい?」
「そうじゃなくてイキそう」
「早くない?」
彼の顔が赤くなった。
わかりやすい反応がたまらなく面白い。
彼をもっと虐めたくなった。
「本当に出る、本当に出るからダメです」
手を離して彼の反応を見る。
本当にイキたくないのか、必死に呼吸を調えていた。
そんな彼のパンツを脱がそうとパンツに指を掛けると、慌ててパンツを抑えてきた。
「電気」
泣きそうな顔と泣きそうな声で部屋を暗くしろと要求する、女より女みたいな彼に負けて部屋を暗くしてパンツを脱がせた。
明るい部屋でじっくり見たかったけど、暗い部屋に目がなれてくると、ある程度は見える。
そして俺の興奮もこれ以上無いくらい膨れ上がった。
我慢汁にまみれた彼の亀頭を口に含んだ。
今まで経験した事の無い感触が唇に伝わってきた。
そしてしょっぱい。
あまり大きくない彼のチンポを根元までくわえてフェラをした。
数回上下させただけで亀頭がパンパンに膨れ上がった。
「イキそうだから口離して」
流石にまだ、口で受け止める勇気はなかった。
口を離して手コキに切り換えた直後、何も言わず射精した彼。
初めて生で見た他人の射精にゾクゾクした。
一般的な量がどれくらいかなんて知らないけど、動画で見た女装娘や俺よりも、明らかに多い量を、腹の上に溜めてる彼。
胸の近くまで飛んだもの、脇腹をつたってベットへ垂れてくもの、癖になりそうだと思いながら眺めた。
賢者タイムを満喫してるのか、放心状態の彼のチンポをもう一度口に含んで、残りの精子を吸いとった。
表現しがたい変な味、どんなに彼を可愛いと思っていても、お世辞にも美味いとは言えない味だけど、興奮した。
腹に溜まった精子も舌で掬って口に含むと、量が多すぎたせいでより強烈に味を感じて、口に含んだ事を後悔しながら飲み込んだ。
「汚いですよ」
既に飲み込んだ後に思い出した様に制止する彼。
手遅れだ。
そんな彼の顔に顔を近付ける。
恥ずかしそうに笑いながら気持ち良かったと満足気だった。
「まだ続けるよ?」
「はい、入れてほしいです」
見た目が女みたいだと賢者タイムに突入する事も無いんだろうか。
まだイッてない俺に、仕方なく付き合うと言うような感じじゃなかった。
かなり長くなったんで、続きはまた。
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