時間は深夜でしたが駅前には人がいて、すれ違う人にも女装と気付かれた様子はありませんでした。
それには、タンクトップからはみ出た胸の膨らみが見えるように、ジップアップのパーカーの前を開けさせていたせいもあったと思います。
基本的に私の女装は、体の男らしい部分は洋服で隠しますが、テープで作った胸の谷間やコルセットで絞ったウエストや女性らしい太ももは強調するようなファッションを心掛けていました。
少し露出が多めの私を見た男性に「お姉ちゃん、一人?」と声をかけられたり「彼女、一緒に遊ぼ」とナンパされたりしました。
私は女装はしますが男性には興味がないので、いつもの様に無視をしましたが、久しぶりに「お姉ちゃん」とか「彼女」と呼ばれ、自分を女性として認識してもらえて嬉しく感じていました。
数ヶ月ぶりの女装でしたが、自分が女性として見られていることを確認出来たので、その日は帰宅することにしました。
私が車を停めていた造成地に戻ろうとしていると、私の歩く速度に合わせて徐行運転している車に後をつけられていることに気が付きました。
最初は私との距離も離れていたので、気にしていなかったのですが、人通りのない造成地の道路にまで付いてきたので、私は怖くなり自分の車を停めている場所まで早足で急ぎました。
すると後をつけてきた車もスピードを上げて、私の隣に並ぶと私の歩く速度に合わせて並走し始めました。
その車はワンボックスで後部座席はスモークガラスで車内の様子はわかりませんが、車内から聞こえる音楽に混じって複数の男の声が漏れていたので、運転手以外に複数の人が乗車している様子でした。
私は横目で運転席を確認すると、先程駅前を歩いてる時に車に乗ったままナンパしてきた男達でした。
私は彼等に襲われるかもしれないと思いましたが、彼等は車で並走する以外のことはしてきませんでした。
おそらく、今歩いている道路は一般道や民家から見渡せる状況だったので、もっと人目に付かない状況になるのを待っているのだと思いました。
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