僕たちは、100Kmくらい離れた、
隣の県のS市まで行くことになりました。
隣の県ならお友達と会うこともないし安心です。
でも時間が遅くなるので、お母さんの提案で、
その日は、S市内でお買い物をしたり、
遊んだりしたあと、ホテルに泊まることになったのです。
僕は、すごく嬉しかったです。
午前中に僕がお勉強をしている間、
お父さんから電話があったそうです。
「今日はお仕事が長引きそうで、
会社に泊まることになったので、
僕をどこかに連れて行ってあげてほしい…」
ということを言われたそうです。
「じゃあ、今日はお泊りなんだね」
「そうよ」
お母さんが言いました。
「お泊りって言ったら、僕のお着替えはあるの?」
「あるわよ。後ろの座席に…」
見ると、そこに入っていたのは、全部女の子用の下着と
スカートでした。
「はる君、お洋服は全部女の子の下着とスカートだけど、
大丈夫よね」
「う、うん…」
着替えがそんな感じのことって、もちろん初めてだったので、
少し心配だった僕でした。
高速道路に乗り、しばらく走って、
途中でパーキングエリアに止まり、休憩しました。
車から降りる時、すごくドキドキしましたが、
降りてお母さんと手をつないで歩いていると、
だんだんとドキドキが収まってきました。
いよいよ僕の、外出でのスカートデビューです。
週末で、パーキングエリアは結構混雑していました。
家族連れも多く、僕くらいの女の子の姿も見えましたが、
スカートをはいている子は少なかったです。
特に、大きい子でスカートの子はいなかったので、
何だか心配になりました。
お母さんと一緒にトイレに行きました。
僕が、男子トイレに行こうとすると、お母さんが、
「はる君、こっちでしょ」と言われてしまいました。
「あ、今は僕は女の子だったんだ」と言うと、
お母さんに、
「シー…」とやられてしまいました。
でも、誰にも聞かれていなかったので、ほっとしました。
個室の中では、どうやっておしっこをすればいいか困りました。
だから、スカートをめくってパンツをおろして、
おしっこがスカートにかからないようにしながら
立ちションをしました。こんなところを誰かに見られたら大変ですが、
個室の中なので、大丈夫かなって思って、いつものように
男の子の仕方でおしっこをしてしまいました。
午前中に、お家のトイレでもおしっこをしたのですが、
スカートに引っかかってしまいそうだったので、
スカートを全部脱いでから、座っておしっこをしました。
でも、今度のトイレは、スカートを脱いで置く場所がないので、
立ったままでしたんです。
そのことを、トイレから出た後でお母さんに話すと、
「大変だったのね」と言われて、笑われてしまいました。
売店に行って、おやつを買ってもらいました。
お母さんが会計を済ませている間に
旅行をしていて、そこにたまたま立ち寄った女の人たちに囲まれて、
「何てかわいらしいんでしょう」
「お嬢様みたいよ」
「何年生?」
「どこから来たの?」
と、いろいろ聞かれてしまい、ドキドキしました。
顔が熱くなってしまったけど、
「5年生です」「K市から来ました」
などと教えてあげました。
「すごかったわね。何だか、アイドルみたいだったわよ」
と、お母さんに言われてしまいました。
そして、売店を出てしばらくすると、
今度は、僕の前を通りかかった、小学校低学年くらいの女の子2人が、
「見て、あのお姉ちゃん、すごくかわいい…」
「本当だ。あの制服みたいなスカートをはいているお姉ちゃんだよね」
と、こっちを見て言うのが聞こえました。
え?僕のこと?僕は、思わず周りを見回しましたが、
制服みたいなスカートをはいている子は、僕以外にはいない感じでした。
「あの女の子たち、はる君のことを言っているみたいね…」
「そうなのかな?」
少しすると、2人の女の子が、2人で相談するように、
ためらいながら僕のところに来ました。
「お姉ちゃん、握手して下さい…」
僕は、戸惑っていました。見ず知らずの女の子から、そう言われたのですから。
「握手をしてあげなさい…」
「うん」
僕が握手をしてあげると、その女の子たちはにっこりと笑いました。
「お姉ちゃん、何年生?」
「ご、5年生よ」僕が答えました。ちょっぴり声が震えていました。
本当は男の子ってわかってしまったらどうしよう…。
「私は3年生」
「私は1年生」
名前も聞きました。2人は姉妹で、お姉ちゃんがなつきちゃん、
妹がみずきちゃんと言います。
僕も、名前を教えてあげました。僕は、1人っ子なので、
きょうだいっていいなって、ふと思ってしまいました。
お母さんが、
「少しお話してもいいのよ」って言うので、
3人でお話しました。
なつきちゃんとみずきちゃんのお母さんも、
「かわいいお姉ちゃんとお友達になれてよかったわね。
なつきちゃんとみずきちゃんのお母さんは、
「はるかちゃん、スカートすごくかわいいわね。
スカートをはく女の子ですごくうらやましいわ。
家の子たち、スカートは好きじゃないみたいで、
あんまりはいてくれないのよ」って言っていました。
「はるかちゃんは、いつもスカートをはいているの?」
と聞かれたので、思わず、
「はい、学校でもお家でも、体育の時間以外は全部スカートです」
と、嘘を言ってしまいました。本当は今日、
生まれて初めてスカートをはいたばかりなのに…。
「そうなのね。なんて女の子らしいんでしょう。
はるかちゃんの女の子らしさを、なつきとみずきにも
分けてほしいわ」
なんて言われてしまって、嬉し恥ずかしいような、変な気持ちでした。
お母さんたちが
「しばらく一緒に遊んで来てもいいわよ」
と言ってくれたので、パーキングエリアにあるアスレチックで、
3人で遊びました。
僕はスカートをはいていたので、
上に登る時とか、しゃがむ時とか、降りる時とか、
「お姉ちゃん、パンツ丸見え」って言われてしまいました。
最初はすごく恥ずかしかったけど、遊んでいるうちに平気になってきました。
下に来ていたスリップがすごく女の子らしい、お姫様みたいって言われて
すごく嬉しかったです。
なつきちゃんとみずきちゃんは、2人ともズボンでした。
2人は、普段からスカートはあんまりはかないって言っていました。
本物の女の子がズボンで、本当は男の子の僕がスカートなのが、
何だかすごく不思議な感じがしました。
アスレチック広場には、いろいろな遊具があってすごく楽しかったので、
何度も何度も遊びました。
僕たちが遊んでいる間、お母さんたちも、
いろいろ話をしたみたいです。
パーキングエリアにいたのは、1時間くらいでしたが、
その間、女の子の格好をほめられ、新しいお友達もできて、
スカートデビューの僕にとっては、
すごく充実した、思い出いっぱいのひと時でした。
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