私は、高いヒールとタイトスカートで歩くことに疲れてきたので、車を停めた駐車場に戻ることにしました。
駐車場に着き、バッグから車の鍵を取り出そうとした時、車の鍵が無いことに気が付きました。
車から降りる時に興奮していて、スペアキーでキーインロックしていました。
元々、車で出かけるつもりが無かったので、車の本鍵は自宅に置いたままで、お金の入った男物の財布は、車の中に置いた大きなバッグの中に入れたままでした。
今持っている小さなバッグの中には、小銭しか入っていない女物の財布と携帯電話と家の鍵と化粧品が少々入っているだけでした。
私は、血の気が引きました。
ここから家までは、歩きにくいヒールを履いた状態では、とても歩いて帰れる距離ではありませんでした。
タクシーで帰ることも考えましたが、現金やカード類は全て車の中にある財布に入っているので、家に着いても支払いが出来ない状況でした。
JAFや知り合いに助けを求めるにも、私が女装することは、誰にも言っていないので、この格好で連絡を取ることは避けた方が良いと思いました。
私は、携帯電話の時計を見ました。
幸いにも、まだ電車が運行している時間帯でした。
私は、今日は電車で帰って、明日の朝もう一度電車で、ここに戻ってきて、車で出社することにしました。
昔、女装ですいている電車に乗った時、周りの人に女装がバレて晒し者になったことがトラウマになって、電車には苦手意識があったので、バレない為の保険として、使い捨てのマスクを駅に行く途中のコンビニで購入することにしました。
体の男性的な特徴はパッドやコルセットや着る洋服で誤魔化せても、長時間顔を見られると、男性的な口周りの顔つきで、男だとバレる可能性が高くなります。
しかし、過去の経験上マスクで顔を隠せば、ほぼ男とバレる危険性は無くなります。
コンビニを出て、時計を見ると、終電間際の時間でした。
マスクを付けた私は、やむを得ず駅まで走ることにしました。
Gカップのブレストフォームを付けた胸は、歩いてる時とは比べ物にならない程、激しく上下に揺れ、ミニのタイトスカートは、走る度に裾がずり上がってきました。
歩いている時は、歩道をすれ違う人だけが、私を見てきましたが、走っている状態は、とても目立ち、対向車線の歩道を歩いている人が指差してきたり、客待ちをしているタクシーの運転手さん達が、ニヤニヤと私を注目してくる状況になりました。
私の意志とは関係なく、大きく暴れる胸を左腕で押さえる様にして、ピンヒールが折れない様に、つま先だけで走り、10mくらい走っては、ずり上がったスカートの裾を直す感じで走り続けて駅に到着しました。
幸いにも、駅に着くと終電はまだ発車しておらず、なんとか間に合いそうでした。
私は、慣れないつけ爪で、乗車券を買うことや、自動改札機に切符を通すことに手間取りながらも、ギリギリ終電に乗ることが出来ました。
※元投稿はこちら >>