恐怖で体が強張ったままの私は、暫く彼にされるがままの状態でしたが、エレベーターが地下2階に着いた時の音と重力の変化で私は我に返り、彼の手を振りほどいてエレベーターの外に飛び出ました。
エレベーターから出た時に私は転んでしまい、バッグの中身が床に散乱しました。
倒れた私が、彼に襲われると思った瞬間、少し離れた所から男性の声がしました。
「どうしました!」
市営駐車場の職員さんの声でした。
恐らくエレベーターの監視カメラで異変を発見した職員さんが、駆けつけて来てくれたのです。
職員さんの姿を見た彼は、私達が乗っていたエレベーターのドアを閉め逃げて行きました。
私が、座ったままの姿勢で床に散乱したバッグの中の物を拾っていると、職員さんが声をかけてきました。
「大丈夫だった?」「怪我はない?」「警察呼んであげようか?」
私は、職員さんと目を合わせず、無言で頷いたり、首を振ったりして応えました。
もちろん、私は女装をしている状態でしたので、警察は呼んでもらわない様に意思表示しました。
もし、車を停めていたのが無人の民間駐車場だったら、もし、職員事務所がない地下3階だったらどうなっていたのだろうと思っていると、職員さんが更に話しかけてきました。
「膝から血が出てるよ」
私は、改めて自分の体を見ました。
右膝は、擦り切れたニーハイソックスから血が滲んでいました。
それ以外にも、スカートは捲くれレースのペチパンが丸見えで、カットソーは肩まで脱がされていてブラが丸見えの状態でした。
私は、慌てて服装を整えて、立ち上がろうとしました。
「事務所で手当てしてあげるよ」
職員さんは、そう言って私の腰に手をまわしてきました。
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