洋服売り場を出たあと、
デパートの中を移動して、
僕たち家族は、デパートの中を
あちこち見てまわりました。
「どう?女の子の洋服は…」ママが聞きました。
「うん、足がスースーしていい気持ち」
僕は、そう答えながら、すごくどきどきしていました。
買ってもらったばかりの女の子の洋服を着て、
デパートの中を歩くのは、
男の子の格好だったさっきまでとは、
全然気分が違いました。
屋上に行きました。
屋上には、アスレチック広場がありました。
僕は、小走りでアスレチックまで行き、
上まで登りました。
「真琴ちゃん、今日はスカートだから、
気をつけるのよ」
ママが言った言葉に、僕ははっとなりました。
いつもの調子で、
アスレチックの上まで来てしまいましたが、
僕は今は、スカートをはいているんです。
「パンツが見えたら恥ずかしい」って思いながら、
アスレチックをしました。
でも、遊んでいるうちに、夢中になってしまって、
スカートをはいていることは、全然気にならなくなりました。
それに、ズボンよりも、スカートの方が足が自由になるし、
身軽なことが分かりました。
ママのところに戻ると、
「アスレチック、頑張っていたわね」って言われました。
でも、そのあとに、
「パンツもいっぱい見えていたわよ。
せっかくのかわいいお洋服が台無しね」
って笑われてしまい、すごく恥ずかしかったです。
ママが、聞いてきました。
「真琴ちゃん、スカート好き?」
僕は答えました。
「うん、大好きだよ」って。
「真琴ちゃん、これからもスカートはきたい?」
「うん、いっぱいはきたい…」
そのあと、屋上のレストランで、
お昼を食べました。
よそ行きのお洋服なので、
こぼして汚したらいけないと思って、
いつもより少しお上品に食べました。
襟のところと、スカートの上には、
白い布をつけてもらいました。
午後はまたお買い物です。
洋服売り場の近くのタイムサービスで、
ママが、僕のスカートを2枚、買ってくれました。
地下のスーパーに行きました。
「ママ、私がお買い物かご、持つわね」
「パパ、私と腕を組んで」
自然に女の子言葉が出てきました。
僕は、何だかすごく幸せでした。
女の子の格好をしたのは、この日が初めてでしたが、
不思議と、違和感はありませんでした。
スカートをはいて歩くと、何だか、
いろいろな人が、
僕のことを見ているような気がしました。
僕がデパートの階段に座って、
買った物の荷物番を1人でしていた時のこと、
知らないおばさんが、僕に話しかけてきました。
「かわいいお洋服ね、何年生なの?」
「4年生です」
急に話しかけられたので、僕は少しびっくりしました。
足を開いて、間に挟むようにしていた荷物を横に置いて、
僕は、足を閉じて、スカートを直しました。
「そうなのね。お父さんやお母さんと一緒?」
「はい。向こうでお買い物をしています…」
「そうなのね。いいわね、女の子って。
荷物番、関心だこと。頑張ってね、
お嬢ちゃん…」
そう言うと、おばさんは、
階段を下りていきました。
僕は、おばさんから「女の子」とか、
「お嬢ちゃん」って言われたこと、
すごく嬉しかったです。
でも、もっともっと女の子らしくなりたいって、
そんな気持ちもいっぱい出てきていたのです。
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