哲男さんのパートナーである中年男性は
「後で来る」と言ってたけれど、結局は来ませんでした。
哲男さんは意に介せず「いつものこと」と
割り切ってました。
僕は帰り支度をして、奥のスタッフルームで
着替えを済ませてました。
哲男さんが
「もう、電車ないわよ。こんな時間だもの。
大丈夫、私が車で送っていくから。」
と言ってくれましたが、それでは僕が
申し訳なくて遠慮しました。
「あら、こんな真夜中に一人で歩いて帰ろう
って思ってるの?・・・玲ちゃんのアパート、
近いかも知れないけど、危ないよ。君みたい
に可愛い子は外で待ち伏せされてるかも・・。
遠慮しなくていいから。私も君の住んでる
とこくらい知っときたいし・・・。」
と、哲男さんに言われて、甘えることに
しました。
僕は今日一日で、すっかり哲男さんが好きに
なってました。
もちろん、性的な意味ではありません。
哲男さんも僕と同じくウケ専門だと思って
ましたから。
性的な意味でなく、彼の苦労人らしい賢さ
や、優しい気配りを尊敬しました。
店を閉めて二人で店を出ようとした時、
哲男さんが僕に近づいて来て、一瞬二人で
立ったまま正対する格好になり、彼が僕の
顔を見つめて
「玲は本当に可愛くてキレイね。私だって
好きになるわ。」
と言いながら、両手で僕の頬を挟み、チュっ
とキスをしました。
僕は思わず「嬉しい」と言ってました。
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