愛さんとのキスに夢中で気づきませんでしたが、夫はいつの間にか私たちの前に置かれた丸椅子に座らされていたようでした。
同性キスの陶酔からハッと我に返った私は、夫に申し訳ないように思いましたが、愛さんは夫をチラ見しながらニヤニヤ「私たち女性同士の愛がどれほど美しいものか、もっと見せつけてやりましょう」と再び恋人同士のキスに戻るのでした。
「うっ…ううっ…」夫は鼻息を荒くさせて、
「す、すごいです…、自分の妻が他の女性とキスしてるなんて…た、たまりませんっ!それに女性同士のレズがこんなに美しかったなんてっ…」と声を震わせて敗北宣言しました。筋金入りの男性至上主義者であり、さっきまで女性の同性愛に偏見を持っていたあの夫がです。私は晶子先生が「妻が夫を性的に支配する」と言った意味がわかったような気がしました。と、そのときです。
「せ、先生!」夫が赤面しておかしな声をあげたのです。
「た、勃ちました…たまりませんっ」股間に手を当てて立ち上がり、オシッコが漏れそうな男の子みたいにもじもじしてるのでした。ここ数年、夫婦のセックスで一度も勃起できなかった夫が、女性の同性愛に敗北したことで激しく勃起してしまったようです。
「安心してください、旦那さま。どんな重症のED男性でもご自分の奥様のレズビアンを見たら、気がおかしくなるくらい大勃起してしまうんですよ」晶子先生は医学的な説明をすると「しかもこれからご主人はレズビアンを妻に持つ夫にならなければなりません」
「ど、どういうことですか?教えてください、先生!」
晶子先生は、これから私たち夫婦の主従関係が永遠に変わってしまうことを告げたあとこう付け加えるのでした。
「愛する美しい奥様がレズビアンになってしまった男性は、みなさん、慢性的に勃起したままになってしまうんですよ、うふふ…」と意味ありげに微笑むと、夫は「そ、そんな…アヒィッ」と声を裏返してブルブル震え、異様な興奮状態におちいったようでした。
「さ、ご主人。そろそろ私たちは女だけで奥様への本格的なレズビアンの性療法に入らなくてはなりません。ご主人はあそこが男性用オナニー室になってますのであそこにお入りください」これもご主人への治療のひとつですからと、先生の指差したのは、診療室の一角にしつらえられた小部屋でした。個室といってもロッカーみたいなもので、男性ひとりがやっと立てるか立てないかのスペースしかありません。そのうえ男性用オナニー室には、ちょうど目の高さにのぞき窓らしきものがあるのと、腰くらいの高さにももうひとつ、いったい何の目的なのか、直径20センチほどの穴が開いているのでした。
「ただし、前にも言ったとおり射精だけは禁止ですからね」
「はいっ…もう我慢できませんっ」
夫はそこへ駆け込むと、中からガチャガチャとズボンのベルトを外してる音が聞こえてきました。
つい脱線してしまいましたが、このまま私たち夫婦の治療話を続けるのと、和恵さん夫婦の話に戻るのとどちらが良いでしょうか。
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