気付いたことがもう一つあります。女性だけのパーティーにも関わらずウェイターのような格好した紳士風の中年イケメンがおり、さっきからレズビアン女性たちに飲み物を給仕したりして甲斐甲斐しく接客サービスをこなしていたことです。
「佐和子さま、こちらのレディー様たちのお飲み物はいかがいたしましょうか」
私たちがワインをたのむと「かしこまりました」と男性はうやうやしく最敬礼で下がっていくのでした。
私たちはてっきり佐和子さんの運転手か使用人だろうと思っていたところ、驚いたことに何と、あれが佐和子さんのご主人だと言うではありませんか。
「うふふ。彼はね、私たちのことをレズビアン様と呼んで尊敬語で接してるの。男性としてレズビアン様にお仕えするのが何よりの歓びなんですって」とクスクス笑いながら教えてくれるのでした。
「でも安心して。会がエッチなモードになったら彼は退場させてるから」
周りの女性たちがだんだんとエッチな親密ムードになるなか、私たちは出されたワインに口を付けながら、こんな上下関係の夫婦がいるなんて、世の中には変わった男性もいるものだと驚くことばかりでした。
「さてみなさん、盛り上がってきたみたいなので、まだ明るいけど、そろそろ音楽をかけましょうか」佐和子さんが立ち上がって言うと、みんなが待ちかねたように拍手しました。すかさず旦那さんがレースのカーテンを引き、小走りに音楽プレーヤーのスイッチを入れました。ロマンチックなムード音楽が流れてきました。照明が落とされました。
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