「絵美さん、だったわね?..良く来てくれました!
ありがとうね。コロナ禍の自粛でね、暫く休業
しようと思ってたの。そんなだから...こうして
貴女に来てもらって嬉しいわ。」
と微笑みながら早口で言います。
そして、ワイングラスを2つ出し、それにワインを
注ぎます。
「今夜で最後だから、私の奢りよ。安心して、
遠慮しないでね。」
と言います。
こうしたお店に一人で来たのは初めてなので
私は緊張していたので、「ありがとうございます。」
とだけ答えました。
二人で乾杯をして暫くお話しをしました。
「絵美さん、貴女、ミチルが初めてだったんでしょ
?...うふふ、判るわよ。だって絵美さんって
ウブそうだもの。ミチルに誘惑されたのね。」
とママさんが話しかけます。
「え、えぇ....。まあ、そうですね。..私、
世間知らずなので....。年はイってますけど。」
「最初にミチルが貴女を連れて来た時に、
すぐ判ったわよ。貴女って、ミチルの大好きな
タイプだもの。上品で教養があって真面目で、
それでいてウブで可愛い女性....ミチルでなくても
絵美さんはモテるわ。特に、レズの女に、ね。」
「でも、ミチルさんは他にも何人も恋人が居るの
でしょう?」
と私は聞いてみます。ママさんは
「そうね、ミチルは浮気性だからね。でも、貴女
みたいな、ちゃんとした大人の女性は初めてかも
知れない。ミチルも女を見る目があるわ。」
と答えました。それから
「やっぱり、今夜もヒマねぇ...。ね、絵美さん、
もう商売っ気なしで、私もそっちに座るよ。
対面より隣がいいのよ。」
と言って、ワイングラスを手に、私の隣に
腰を降ろしました。
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