私の女性体験は洋子さん一人だけですが、前から素地はありました。
というのは私が高校生の頃、「エマニエル婦人」というフランス映画が官能映画として評判になりました。
外交官の夫を持つエマニエルが夫の任地であるタイで様々な男性経験をする話です。
主人公のシルビアクリステルの美しい裸体が売りの映画でしたが、私には50歳くらいの老婦人との
絡みが強く心に刻まれました。
老婦人とスカッシュの試合をした後に、力尽きてコートの隅で座り込んでいたエマニエルを、老婦人が
バスタオルで彼女の汗を拭きとる場面です。
老婦人がエマニエルの肘を「く」の字に曲がった状態で、両手を頭上でひとまとめにして、
白のポロシャツをたくし上げます。
半開きの唇、窪んだなめらかな腹部、脇腹、ピンク色の乳首、そして綺麗にむだ毛処理された腋。
老婦人のタオルが優しく、そして焦らすかのようにエマニエル婦人の柔肌をさする。
その時の老婦人のギラギラした舌なめずりする鋭い眼。
私は自分がエマニエル婦人になったような気分で、今も老婦人の眼をはっきり思い出します。
映画の後半で、今度はエマニエルは同年代の若し女性学者と恋に陥り、ラブシーンが展開
されましたが、私はあまり興奮しませんでした。
私にとって洋子さんはあの時の老婦人なのです。執拗でネチネチして、私の気持ちを時に
逆撫でし、私の心に深く踏み込んできます。
ある時、添い寝をして私の脇腹を手のひらや指で何度も撫で上げます。
「どう」と聞かれ、私が首を横に振っても諦めずに撫でつづけます。重苦しい沈黙の中
お互いの息遣いだけします。手が離れたから諦めたかと思ったら、今度は軽く歯を当てて
私の脇腹の薄い皮膚を針仕事でもするかのように刻んできます。腰骨も咬まれました。
「お願い、もうやめて」
「あなたの脇腹を性感帯にしてあげる」
「そんな~」
私の脇腹は彼女の歯型でまるで手術の跡のようになりました。歯型に挟まれた山の部分を
彼女の小指の爪がす~っと走った時、私のカラダがぴくんと跳ねました。
「やっときた!鮎みたいに跳ねた!」彼女は手を叩かんばかりの喜びようです。
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