今日から3年生だよー。新学期だー。
新しいクラス、新しい教室、新しい先生だー。
その先生から放課後、「ちょっと進路指導室に来て。」
だいたい、昔から「先生のちょっとに良いこと無し。」ですよね。
先生、何の御用でしょうか?
「あのな、率直に言うけど・・」
「○○先生、職員室にお電話ですよ。」
「はい、すぐ行きます。悪い、ちょっと待っててくれ。」
先生、出て行っちゃた。テーブルの上に個人指導ファイルを置いたままで。
大和撫子としては、こんな時に盗み見しちゃいけません。
でも、チェリー副官としては、あらゆる情報収集に努めねば。どれどれ・・。
「学習態度は以前から問題なかったが、昨年末から異常に熱心になっている。」
ふふふ、そりゃお姉様の奴隷として当然でしょう。
「家庭環境は両親、姉と4人暮らし。家族思いである。特に姉を敬愛している。」
おや、さすが先生。気づいていたか。
「生活面では浮ついた男女交際等から離れて健全である。」
当たり前でしょ。お姉様の前では男の子なんてハエ以下よ。
「就業している母親の代わりに家事全般をこなし、余暇には姉の経営するブティックの手伝いをするなど
しているが、ここで有益な社会常識や人間関係などを学んでいる模様である。
おー、そう、そう。先生、観察するどいね。
「カリスマ的な面はないが、周囲の人間の調和を図ることを考えており、集団の中心的人物になり得る。」
わはははは、これ誰の事?大笑いだね。
退屈せず充分楽しんだところに先生戻ってきた。いや、お戻りになりました。(笑)
「話しの続きだけど・・」
はい、何でございますか?
「お前、生徒会長やれ。だれも立候補ないから職員会議の指名だ。」
あら、2年の時の副会長はどうしたんですか?
「親御さんから、これ以上勉強時間を削られる生徒会活動はさせないって言われたそうだ。」
そうなんですね。副会長は勉強時間が取れないからだめなんですね。
なら、チェリーは勉強しなくて良いの?
って突っ込みたかったんだけど、かろうじて押さえて、
「すみません。考えるお時間いただけますか?」
大和撫子ならこうですよね。
さあ、大変だ。ヒロ様からまた言い当てられたか?
必死にお姉様にメールしました。
「お断りするべきですよね?」
お姉様からの即答のメールが着ました。
「ルテナンチェリーは私の副官としての能力を向上すべく、
生徒会長に就任し、集団心理、集団行動原理及びその実務
について研究すべし。」
わー、つまり会長やれっておっしゃるのね。
はい、もちろんお姉様の奴隷チェリーはご命令に従います。
どうなっても知らないから。
しおらしげに先生の所に戻って申し上げました。
「こんな私が皆さまのお役に立つのなら、微力を尽くさせて頂きます。」
先生、喜んだ、喜んだ。
人選がかなり難航してたんだろうな。さてはチェリーの前に何人も声を掛けて
皆断られたな。
これから忙しくなるぞ。
バイオネットのお手伝いでしょ。家の家事でしょ。成績上位の確保でしょ。生徒会活動でしょ。
でも、なにより一番大切なのは、お姉様のために忠実なチェリー犬でいることだもんね。
ヒロ様、また言い当てましたね。
なにか予感がしたんですか?
もしかしたら、ヒロ様ってスピリチュアルの方かしら?
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