チェリー副官、あっという間に捕虜になっちゃった。
16歳位の大人しそうな女性から「スノー様にプレゼントがあるんですが・・」
って言われて、のこのこ一緒に取りに行ったら、元子さん、いたんですね。
もうすごい形相でチェリーを睨みつけてる。憎しみと悲しみの般若の形相。
でも、忠犬チェリーも負けません。元子さんの目をじっと見返しました。
「あんた、何考えてスノーの恋人気取ってんのよ?」
「あんたに、務まるわけないじゃない。このガキが」
「どういうつもりなのよ?なんとかお言い。」
えーい、言われっぱなしでは、腹が立つ。
「お姉様は、私の命です。命を掛けてお仕えしています。」
「お姉様のためなら、私、死んでも良いです。」
あー、言っちゃたよ。お姉様を怒らせて、ヒロ様からもご注意受けたこの言葉。
元子さんも怒ったよ。すごい勢い、迫力で
「何、言ってんのさ。死んでも良いなんて、誰が信じるか」
「出まかせ言ってんじゃないよ。」
て、言ったの。
すると、急に女の子の泣き声が・・・。
さっき、チェリーを呼びに来た女の人が泣いてるの。
両目から涙をボロボロこぼして。
チェリー、それ見て分かったの。
この人、元子さんのチェリーなんだって。
元子さんに、命を捧げてるんだって。
元子さん、しばらく茫然としてたけど、急にその人の肩を
優しく抱いてあげて、耳元で何か囁いていたの。
そして、そのまま二人とも、チェリーの前から消えちゃった。
去り際にちらっと見た元子さん、もう般若じゃなかったよ。
チェリーの勘だけど、もう元子さん、姿を現さないんじゃないかな?
あの人と仲良く幸せに暮らしてほしいな。
釈放されたチェリー副官は、ただちに司令官と参謀に報告したけど、
いやー、怒られた、怒られた。
「呼ばれて付いて行くなんて、お前は幼稚園児か。」
「幸い無事だったけど、お前に何かあったら私はどうすれば良いんだ。」
「お前の脳みそは、ハムスター並みか、それともゾウリムシか。」
はい、お姉様。お気持ちはごもっともなんですが、ゾウリムシって・・。
せめて、ミジンコくらいにしてくれないかしら・・
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