雨の中、高い所での危険なお仕事、お疲れ様です。
どうか、事故などに巻き込まれませんように・・。
今日から新学期です。
ベータが張り切って、早く迎えに来てくれたから、チェリーも早く登校しました。
まだ、通る人が少ない道を学校に向かって歩いて行くと、少しづつ見慣れた制服姿が見えてきます。
校門に来てサプライズ。
もう校長先生が立っています。
チェリーとベータ、気を付けして最敬礼。
おはようございます。2学期もよろしくお願いします。
顔を上げたチェリーは、あっと息を飲みました。
A君、居るじゃないの。
校長先生の斜め後ろに姿勢正しく立っています。
「会長、夏休みも色々大変だったね。
今日から、この子も当校の生徒だからね。
これまで通り頼むよ。」
新学期から転校か・・。もう少し後かと思ってたよ。
あっ、ベータ。知ってて教えなかったね。
ベータ、ちょっと舌を出すようなポーズをとりました。
「会長、ごめんなさい。驚いた?」
うーん、驚かされたけど、可愛いから許す。
A君、今日から一緒に頑張ろうね。
色々トラブルがあって当たり前だよ。
解決できるかどうかは別にして、何でも相談して頂戴。
放課後の久々の生徒会室です。
ここでも、驚いた。
色黒で精悍な男の子がいます。
一瞬誰か分からなかったよ。
サブです。
夏休み前の繊細で神経質そうな感じが薄れて、逞しくなったみたい。
肉体的には、前から逞しかったけど、精神的に大きくなったようだね。
夏休み中、勉強一筋だろうと考えていたチェリーの油断だ。
いったい、どうしたんだろう?
サブ、何のスポーツしたのかな?
「スポーツじゃありません。町内の美化を毎日してました。」
なんと、あのサブが自分から奉仕活動するなんて。
「毎日、草をむしったり、溜まったゴミを運び出したりしてたんです。」
どうして?何故、そんなことをしようと思ったの?
「会長は、自分の勉強の前に、他の生徒の勉強を教えてあげてたでしょう。
僕も、自分の事を吸う前に、他の人の事をしようと思ったんですよ。」
ああ、サブはチェリーに全面降伏したと思ってたけど、違ってたんだ。
学力以外で自分を鍛えてたんだ。
ゴミを運んだり、草をむしったり、暑さや臭さ、人の目も気になっただろうに・・。
うーむ、これは手ごわくなるぞ。
サブの横には、しっかりと寄りそう日に焼けた意志の強そうな女の子がいるの。
チェアマンです。
サブと一緒に仕事をしてたね。
二人の間に遠慮とか余計な気遣いとかが感じられないよ。
なんだか、一緒に生活してる夫婦みたいだ。
さあ、大変だ。
チェリーものんびり勉強だけしてると、革命かクーデターが起っちゃうよ。
会長として、皆の面倒もしっかり見なくちゃ。
でも、またサブと競い合うのも楽しみだな。
※元投稿はこちら >>