また午後から大雨でしたね。
急な大雨に野外作業は大変でしょう。
お気をつけてくださいね。
キビキビ男子に変身したA君から、またも難問を持ちかけられました。
「バイトしたいんだ。
もし公立高校に進学できたら、学費くらい稼ぎたい。」
うーん、気持ちは分かるし切実な問題だとは思うんだけど、チェリーの守備範囲を超えるよ。
チェリー自身、アルバイトってしたことないもん。
バイヨネットはあくまでお姉様のお手伝いです。
給料はいただいてませんもの。
弱ったね。また摩耶様のお力をお借りしなくちゃいけないかな。
自衛隊に入りたいって言うんだから、軟弱な職場より3Kでも給料が良い職場が良いだろうね。
まてよ、3Kか・・。ベータのお父様の会社なんて絶好なんだけどな・・。
そんな事を考えながら、ベータを家まで送って行きました。
なんと、壁に自衛隊員募集のポスターが貼ってるじゃないの。
土日は気が付かなかったよ。
ベータ、お父様は自衛隊と関係があるの?
良かったら教えてよ。
「父は元陸上自衛隊員です。
私が小学校に入る時に、転勤で私が転校しなくちゃいけないのが可哀想だからって、退官したんです。」
そうなの。じゃあ、今でも自衛隊の後援会に入ってるんだ。
ベータ。お願いがあるの。聞いてくれる?
A君をベータのお父様の会社でアルバイトさせたいって言ったら、ベータはやっぱり反対でした。
そりゃそうだろうね。傷害罪の前科ありの不良少年だもん。
でも、彼だって立ち直りたいんだよ。
その立ち直りに貴女のお父様の男気っていうか、大人の力が欲しいの。
ベータが反対なのは、A君が不良少年なのではなく、どうもチェリーがA君の面倒を見過ぎることみたい。
よく話したら納得してくれて、お父様にお話ししてくれるって約束してくれました。
飛んで帰ってA君を説得します。
汚れ仕事だけど、社会のために絶対誰かがしなくちゃいけない仕事なの。
君の忍耐力を培うことになるよ。
なにより社長さんが自衛隊OBだ。
君の将来への希望に理解があると思うんだ。
なんて、チェリーも自分ながら口の上手いこと、感心しちゃいます。
将来は立派な詐欺師になれるかな?
A君、思ったより簡単に、いや、むしろ進んでベータのお父様の会社でゴミの分別の仕事
をしたいって希望しました。
「俺、頭悪いから難しい仕事はできないけど、人のためになるんなら頑張ってみるよ。」
良く言った。さあ、一緒に行ってお願いしよう。
ベータのお父様、会社の事務室で待っててくれました。
「君か。汚い仕事だけど良いか。」
短刀直入ですね。
「はい、お願いします。」
答えも明快。良いねえ。
お給料の事とか詳しいことは当事者同士の話し合いです。
どうせ、A君のお母さんの承諾もいるからね。
一つA君にとって良かったのが、お父様いえ社長さんの
「仕事が終わったら、うちで風呂に入って夕飯を食って帰りなさい。」
って言うありがたいお言葉です。
A君の身の上話を聞かなくても、A君の生活を察してくれたみたい。
A君、柄にもなく緊張してます。
「良いのか?いえ、良いんですか。そんなにしてもらって。」
社長さん曰く、
「将来は自衛隊員になるんだろう。
しっかり栄養摂らせて、役に立つ隊員にしなくちゃな。」
何でもないように言ったけど、聞いてたチェリーまでありがたくて涙が出そうだったよ。
こんな人が「男気がある」って言うんだろうね。
って思ってたら、社長さんがチェリーに話しかけてきました。
「会長さん。貴女の男気には感心するよ。」
え~っと、チェリー一応女の子だけど・・。
まあ、誉められたんだから良しとするか。
A君、今日から頑張ってね。
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