お盆初日ですね。
チェリーの家でも、一家そろってお墓参りです。
御先祖様を家にお迎えして、お参りしましたよ。
午後の蒸し暑い街を歩いていたら、児童館の前でA君を見ました。
さみしそうです。
日陰で感心に教科書を読んでるけど、心そこにあらずって感じ。
そこで様子を見ないで、すぐ声を掛けるのがチェリー流。
どうしたの?分からないとこがあったの?
ドキッとした表情でチェリーを見たA君、泣きそうな顔です。
どうしたのよ?何かあったの?
「誰もいないんだよ。」
えーっと、良く分かんないんだけど・・。
「かあちゃん、家に帰んないし、俺、誰も話す相手がいないんだよな・・。」
これは困った。何か複雑な家庭環境のようね。
チェリーの手には負えんわい。
とりあえず、A君の話しを聞いて上げる必要があるか・・?
いや、チェリーが聞いてあげても解決に結びつかないよね。
誰かA君のことを親身になって聞いてくれる大人の人がいないのかな?
お互い何も話さず、じっと向かい合ったままでチェリーは必至に頭の中のデータバンクを探します。
A君の学校の先生・・余所の学校のチェリーがお願いする筋合いじゃない。
チェリーの学校の校長先生・・聞いてくれるとは思うけど、やっぱり筋違いでしょう。
バイヨネットの皆・・男については全く対象外。
交番所長さんや警察署の少年係のお巡りさん・・A君のチェリーへの傷害事件に関係してるからなあ。
でも、交番所長さんにヒントくらいもらえないかしら?
うん、A君みたいなワルを何人も扱ってれば、何か良いアイデアくれるかも・・。
A君、ここで待ってて。30分で戻るから。
すぐに交番に飛び込みました。
「生徒会長、また事件かい?」
ああ、よかった。所長さんいたよ。
これこれ、しかじか。何かA君の相談に乗ってあげるような大人の人いないでしょうか?
きょとんとした表情の所長さん、次に大声で笑い出しました。
「Aって、君を襲ったあいつだろ?
君の面倒見は何処まで広がってるんだい?」
御笑いになるのも仕方ないんですけど、何かお知恵を頂けませんか?
「惜しいね。君への事件が無ければ、将来警察を受けさせるのに・・」
えー、警察?今度はチェリーが唖然・・。
「わが社(?)は良いよ。国立大学卒業でも私立の3流高校卒業でも、組織内の試験に合格したら昇進だ。
署長の息子だろうが議員の甥だろうが試験に落ち続ければ巡査さんのまま。
貧乏人の子でも昇任試験に合格して仕事ができれば署長さんや本部の部長さんだ。」
うーんと、つまり所長さんは警部補だから・・
「うん、私はあまり勉強は・・むにゃむにゃ。」
あまり深く突っ込まない方が良いみたいですね。
ところでA君の話に戻るんですが・・
「Aは自衛隊に行きたいんだろう。
ここは自衛隊の方に話しを聞いてもらったら。」
ナイス、所長さん。その手があったね。ありがとうございました。
深く考えないのがチェリーのチェリーたる所以です。
A君。待たせたね。良いとこに行こう。
A君の手を引っ張って、連れて行った先がチェリーの街の自衛隊連絡部。
警察署のすぐ近所です。看板のピクルス王子が可愛いんだよね。
こんにちは。良いですか?
「お嬢さん、何事ですか?」
制服じゃなくて白いワイシャツ姿の男の人が声を掛けてくれました。
この子、中学3年生だけど、将来自衛隊員になりたいって。
お話聞かせてあげてくださいな。
「そうか。よし、時間があるならゆっくり教えてあげるぞ。」
A君、応接室みたいなところに一緒に入って行きました。
うーんと、あとは知らん。
明日でも、A君に聞いてみようっと。
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