台風、行っちゃたよ。
幸い、チェリーの住む地方では大きな災害は起きなかったです。
関東は今夜ですね。
そちらでも災害が起きませんように。
試験結果、発表がありました。
チェリー、サブ、チェアマン3人で生徒会室に坐ってだんまり待機中。
何故か生徒会室の外に大勢に人の気配。
そこに突然廊下を走るアルファの足音。
「発表ありました。」
チェアマンが立ち上がったけど、サブとチェリーは座ったままです。
二人とも、あまり関心の無いような表情でアルファを見ました。
アルファは一息入れて発表しました。
「同点です。二人とも同点です。」
今度はサブが立ち上がりました。
今まで表情が無かった顔に、なんとも表現しようのない表情が現れてる。
チェリーだけ、イスに座ったままだけど、内心は
うーん、運が良かったか・・。
ヴィシュヌ神がチェリーの頭の中にお戻りにならなかったら負けてました。
急に廊下にいた生徒たちが大声で騒ぎだしたけど、生徒会室の中は静寂状態。
サブ、同点首位だけどおめでとう。
能面から人の顔に戻ったサブが泣きそうな顔して言います。
「会長、今回は絶対勝つ予感があったんですけど・・。」
分かるよ。チェリーも同じような超能力的経験したことあるんだから。
でもね、それ危ないから。
早くいつものサブにお戻りよ。
サブはチェリーの言った意味わかるかな?
チェアマンがすすり泣きはじめた。
今まで別の世界に行ってたサブが戻ってきたのが分かったらしいです。
アルファとベータがじっと立ってます。
ベータ、悪いけどアールグレイ入れてくれない。
さあ、お茶会にしましょうよ。もう良いじゃない。
アールグレイを飲みながら、サブが言いました。
「これが僕の限界ですね。母にすごく迷惑もかけたし。」
「会長のお母さんも、会長が夜遅くまで勉強するから大変だったでしょうね。」
うん?意味が良く分からないよ。何でチェリーが勉強するとお母様が大変なんだろう?
私のお母様は、お仕事で1年の半分は家に居ないんだ。
「えっ。じゃあ食事の支度や洗濯なんかは・・、ああ、家政婦さんですか?」
ううん、普段はチェリーがしてるよ。
買い物してお料理して片づけて、朝には洗濯とお掃除して。
皆の家と一緒だよ。女の子はこうして家事を覚えるんだ。
サブが信じられないって顔してる。
「家事と勉強だけで何か楽しいことがあるんですか?」
うん、それだけじゃなくて、お姉様のお店のお手伝いしてると楽しいよ。
色んな事を知ることができるんだ。
サブ、チェアマンと顔を見合わせて首を横に振ったよ。
チェアマンが肯いた。
今度は二人が一緒に立ち上がるとチェリーに深くお辞儀しました。
「会長、もう競いません。
貴女の指示に従います。」
はあ~?急にどうしたの?
良く分かんないのにサブが降参しちゃったよ。
別に降参なんかしなくて良いのに。
また2学期に競い合おうよ。
サブとチェアマン、もう一度お辞儀して部屋から出て行きました。
チェリー、分かんないよ。
でも、今日くらいサブとチェアマン、仲良く過ごす時間を持ってね。
チェアマン、サブの心が平穏にあるように助けてあげてね。
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