すごい大雨だー。
顔を上げて口を開けたら溺れちゃうよ。
ヒロ様、こんな日はお仕事できないんじゃないの?
やっぱり、やらなくちゃいけないんですか?
本当に、本当に気を付けてください。
今日も、勉強の教え合いは押すな押すなの混雑です。
最初に「来る者は拒まず」を宣言しちゃったから、しかたないか。
今日は、来る者どころか、連れてこられた者までいたよ。
「会長、良いかな?」
あれ、体育の先生だ。
チェリーは、礼式のとおり起立してお答えします。
はい、ここにおります。
なんでしょうか?
「すまんが、こいつ等に数学を教えてくれ。」
えーっと、それ、先生のお仕事なのでは・・?
とは言えないチェリーです。
この先生の事、好きですから。
並んだ二人の男の子、って、お前ら、付録ちゃん達に暴力をふるった
バカじゃないか。
「二元一次方程式だけで良い。頼む。」
うーん、先生から頼むって言われて断れないじゃないの。
了解しました。集中的にそこを教えます。
てな事で、おバカ二人組に数学を教えなくちゃならないの。
あんた達、どの程度分かってるの?
「全然、分かんないです。なんで式がグラフになるの?」
わー、手に負えん。誰か助けてくれ―。
助けてくれました。なんと剣道部主将が・・。
「会長、隣の部屋に連れて行きます。」
ああ、任せるよ。お手柔らかに教えてあげてね。
どうなってるか心配だけど、チェリーも手いっぱい。
1時間後の下校時間、隣を覗いてみました。
「お前ら、できたじゃないか。」
「分かったです。一々数字を入れて行けば納得できた。」
ああ、こいつ等に理解させたようだね。
理論じゃなくて、実際の数字を当てはめたら納得したんだ。
剣道部主将、確か50番台だったと思うけど、相手に応じた教え方上手いんだ。
我が校の剣道部は新人戦に強いって理由があったんだね。
「会長、こいつ等分かりましたよ。
会長からも誉めてやってください。」
剣道部主将、ここでチェリーを立ててくれるなんて。
二人とも、よく頑張ったね。先生もお喜びになるでしょう。
試験でも頑張って。
おバカ二人とも、本当に喜んでました。
試験まで、あと3日を残すのみ。
チェリーのだけじゃなく、みんなの成績が楽しみだよ。
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