ああ、昨日の夜に自分の貧弱な身体に見とれてる暇があったら寝てれば良かったよ。
でも、今日の午後は確か自習だ。よし、寝るぞ。
昼休みに担任先生からお呼び出し。
「会長、ちょっと。」
まただよ。先生のちょっとに良いこと無し。
「痴漢を通報した2年生とお前を警察署で表彰するそうだ。」
「2年の子は犯人検挙に協力した功労。お前は、地域防犯活動に尽力した功績だそうだ。」
あ~、なんだって?
男の子の犯人検挙協力功労は分かるよ。
チェリーも、あのバカ3人組を捕まえるのに協力したと思うんだけど・・。
いや、交通事故で亡くなった子へ人工呼吸した人命救助っていうのはどうなるの?
どうして地域防犯功労なんだ?
先生の説明、良く分かんないよ。
校長先生と担任先生に付き添われて、迎えの警察の車で2年の子と警察署へ・・。
署長室って書かれた部屋の手前の応接室に通されました。
警部さんが分かりやすく説明してくれました。
「少年3人組による傷害事件は、貴女は直接関係ある被害者の立場です。
交通死亡事故では、被害者の方は残念ながら死亡してしまいました。
だから、人命救助の表彰対象になりません。
しかし、交番所長から絶対に表彰に値すると強い推薦があったんです。
そういうことですから、防犯活動尽力と言うことで納得して下さい。」
ああ、そう言うことか。うん、納得。
「あと30分で表彰式です。しばらくお待ちください。」
しまった。チェリー大ピンチだ。
眠いんだよ。
応接室のイス、柔らかすぎ。昨夜1時間しか寝てない。
校長先生もいらっしゃるし、なにより担任先生に居眠りこいてるとこ見られたくない。
しかたない。ここはチェリーの超能力だ。
姿勢を崩さず、背筋を伸ばして、目を開いたまま?意識は夢の世界へ・・。
多分ばれなかったと思います。
「時間です。おいで下さい。」
って言う声がして、気がついた時は姿勢は崩れてなかったよ。
署長室で表彰状を頂きました。
校長先生、鼻が高いかな。
昨日も迷惑かけてごめんなさい。
表彰の後、また応接室で警察の偉い人たちと懇談です。
話してる間は眠くならないや。良かったよ。
制服を着た少し若い幹部の人が話しかけてきました。
「君は15歳か。大したもんだ。」
いえ、校長先生ほか、先生方のおかげです。
「いや、違うよ。姿勢を崩さず眠れるってこと。」
ガーン、ばれてたか・・。
「我々も、警察学校の授業中に、その技術を修得したからね。」
室内、大爆笑。
校長先生曰く、
「この子も眠るんですね。生まれつき眠らない子かと思ってましたよ。」
またまた、大爆笑。
校長先生、ありがとう。
ごめんなさい・・。
く~ん。
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