担任先生の件、お姉様に相談しました。
「授業中か・・。お前らしくないね。
言ってる事は正しいとしても、お前はルールを破ったね。」
はい、授業をしている先生と授業を受けている生徒に迷惑をかけました。
「分かってるね。担任がお前をどう考えるかが問題じゃない。
ルールを破って周囲に迷惑をかけた生徒を、会長としてどう処分するかだね。」
「選択肢は二つ、
開き直るか、けじめをつけるか。」
はい、チェリーはけじめをつけます。
「よし、良い判断だ。
処分の方法はお前の考え通りで良いと思うよ。」
了解しました。
生徒会長チェリーは、授業妨害をした生徒を謝罪させ罰を与えます。
今日の朝のホームルーム。
担任先生への挨拶の後、クラス中の皆の見ている前で担任先生の前に立ちました。
私は、昨日の授業中、生徒である立場を忘れ、恩師に暴言を吐き、授業を妨害いたしました。
大変悪うございました。
今日の昼休みに、校庭の指令台横に無言で立って反省いたします。
お許しください。
頭を45度下げる最敬礼。
クラス中、しーんとなっちゃいました。
その後の10分の休みに新聞部長を呼びました。
昼休みに自分を罰するために校庭に立ちます。
罰を受けるい会長の記事を写真付きで新聞に掲載しなさい。
4時間目が終わると、給食を頂かずにすぐ校庭に立ちました。
雨が激しい。すぐにびしょ濡れです。
白の制服から下着が透けて見えてるんだろうな。
また新聞部長を喜ばせたね・・。
ベータが駆け寄って傘を差し掛けようとします。
後を追ってきたサブが、顔を横に振ってベータを引きもどしてくれました。
うーん、最近のサブはますます冴えてきてるじゃん。
チェリーの考え、分かってくれたね。
校庭に面する校舎の窓から、全校生徒が覗いてます。
いいぞ、皆良く見ていてね。
ルールを破った人は、皆このように罰せられるんだよ。
罰を受けてる悔しさも悲しみもありません。
チェリーが己の意思で己の道を進んでる満足感だよ。
お姉様、ここまで読んでたんだ。凄いなあ・・。
昼休み終了5分前の予鈴が鳴りました。
チェリーは職員室の前に走って言って大声で言いました。
生徒の分限を破った事を反省させていただきました。
見守ってくださって、ありがとうございます。
急いで校舎に入って、生徒会室で家から持ってきた衣類にお着替え。
制服だけじゃなく、下着から靴下までずぶ濡れだよ。
衣類は着替えたけど、髪の毛はかろうじてタオルで拭いただけ。
教室に駆け込むと、皆が温かく迎えてくれました。
良かった。絶対引かれると思ったけどね。
さあ、担任先生がどう受け取るかだね。
「つまらん事をするな。」って止めようとするのが常識的な先生だ
と思うけど、それはしなかったし・・。
チェリーの行動に飲まれてしまえば、それも良し。
反対にチェリーが自分に降参したと思う単純さんならさらに良しだよ。
ブラディ・チェリーは他人だけじゃなく必要とあらば自分自身も血まみれにするぞ。
放課後、生徒会室で半分ふんぞり返ってそんなこと考えてたら、いきなり校長先生
がいらっしゃいました。
気を付け。
慌てて号令するチェリーを校長先生は片手で制してイスに掛けられました。
じっとチェリーの目を見つめてる。
チェリーも目を反らしませんでした。
己を返り見て後ろめたいことはありません。
恐る恐るアールグレイをお出しするベータ。
やっと校長先生が口をお開きになりました。
「会長、行動は4月と変わりないが、顔つきはずっと良くなったようだね。
特にこの10日位前からかな。」
ああ、何故分かるんですか?
お姉様の優しさに触れて甦ったチェリーのことが・・。
チェリーは完全に飲まれてしまいましたよ。
校長先生はサブやチェアマン、アルファ、ベータ皆に声を掛けてくださってお帰りになった。
校長先生は、部下に命令する時は真っ先に最前線を突撃されるんだろうな。
そんな方だからチェリーも校長先生の事、好きですよ。
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