ヒロ様、30分前にドライブから帰ってよ。
お姉様は少しお疲れなので、休んで頂いてます。
お姉様とのドライブ、すごく楽しかった。
私もこんなに楽しんで良かったんだ、って思っちゃた。
昨日からチェリーはワクワク、ソワソワ。
今日の朝は5時前から起きだして、お弁当を作ったよ。
お姉様は、中に味味噌を入れて青シソで巻いたおにぎりがお好きなの。
いっぱい作っちゃいました。
オカズは定番の卵焼きと鳥の空揚げにピーマンのソテー。
自家製フライドポテトにプチトマトです。
もちろん水筒には冷したアールグレーをたっぷり。
今日の服装は、お姉様はグリーンのTシャツに白のカーディガンを羽織って
パンツは久しぶりのジーンズです。
チェリーは、お姉様とは対照的な薄いブルーの膝上までのワンピースに白のソックス。
それにリボンのついた麦わら帽子です。一口に言えばロリコン趣味かな。
お姉様のお好みだもん。良いじゃない。
途中に立ち寄ったドライブインでお姉様がソフトクリームを買って下さったんだけど、
店員さんがお姉様に
「スノー様、今日はデート?」って話しかけました。
お姉様、
「うん、今日は妹とドライブだよ。」
って、私の頭を撫でてくださいました。
店員さん、ニコニコしながら
「貴女が、チェリーなの。
良いわね。今日はお姉様を一人占めね。」
って言ってくれたよ。
この店員さんもお姉様の親衛隊らしいの。
お店の外のベンチに座ってソフトクリームを頂いてたら、あちこちから
お姉様に注がれる男女の視線の数々・・。
チェリー犬、聴力パワーアップ。
「あのグリーンの女性、かっこいいよな。」
「スタイル良いな。モデルじゃないか?」
「悔しいけど、敵わないわね。」
「あー、あのくらい長い足が欲しいな。」
「ちょっと、あの人ばっかり見ないでよ。」
皆さん、お姉様への賛美の声ですね。
チェリー、大満足。
どうだ、このお方がチェリーのお姉さまだぞ。
まいったか・・?
お姉様は、そんな雑音聞こえないようです。
食べ終わって立ち上がると、お姉様がチェリーと手をつないでくださいました。
「さあチェリー、行こうか。」
わーい、皆見てるよ。
チェリーがお姉様に手をつないで頂いてるところを。
うれしいです。お姉様。
車にお乗りになったお姉様から聞かれました。
「チェリー、聞こえた?」
はい、聞こえましたとも。
皆、お姉様に釘付けでしたね。
「違うって。お前の事。」
えっ、チェリー、何か言われてました?
「高校生位の5~6人のグループが居たろ。
あいつらが、
青いワンピースの子、可愛いぜ。
うん、折れそうな足が最高。
いや、賢そうな表情が良いよ。
って言ったたよ。」
なーんと。我が学校だけでなく、世の中には枯れ枝のような
チェリーの足を好むバカが多いんだな。
でも、お姉様はチェリーが誉められたのにまんざらじゃないご様子です。
車の中では、お姉様と合唱です。
お姉様のお好きな昔のアニソンから、学校の音楽で習った歌。
昔の文部省唱歌、フォークソング、ニューミュージック。
思いつくまま二人で大声で歌いまくったよ。
驚いたのが、お姉様は抜刀隊の歌を御存じでした。
合宿の時に剣道部が歌ってくれた日本陸軍の行進曲。
西南戦争の時に、薩摩隼人に対して日本刀で切り込んだ警察隊の歌だそうです。
「我が敵は古今無双の英雄で」って西郷隆盛のことだったんだ。
日本の軍歌で敵を誉めてるってこの歌だけだって。
さすがお姉様、よく知ってらっしゃるな。
また一つ、チェリーの歴史知識の引き出しに入れとこうっと。
高台でお弁当を頂いて、1時前に温泉に着きました。
前に連れていっていただいた温泉とは別の所。
展望露天風呂っていうから、さぞお客さんが多いかと思ったら、
おばあさんが一人だけしかいませんでした。
露天風呂ってすごくきれい。
遠くの山並みや青空に流れる白雲まで手に取るようです。
でもなにより素晴らしいのは、明るい太陽の下で見たお姉様の身体。
ああ、きれいって言うより神々しいよ。
風に髪をなびかせて、遠くの風景をご覧になる姿。
こんな美しい方、本当にチェリーのお姉様なの?
じっと見るのが怖いくらいでした。
お姉様がタオルで隠さないから、チェリーも隠しません。
二人で岩の上に立ちあがって塀から上半身を乗り出して、遠くを走る
車に手を振ったりしました。
髪の毛も身体も交代に洗いっこです。
お姉様に髪の毛を洗っていただける幸せは、今のところチェリーだけ。
目にシャンプーが入るよりも、目を閉じてお姉様の身体が見えなくなる
方が嫌だよ。
先に入っていたおばあさんが話しかけてきました。
「本当に二人ともきれいで仲が良い姉妹だね。」
お姉様がお答えします。
「はい、私の妹は可愛いでしょう。
この子、中学の生徒会長のくせに未だに凄甘えんぼなんですよ。」
そう言って、チェリーの身体を片手で引き寄せてくれました。
チェリー、嬉しさと恥ずかしさで、顔を伏せちゃった。
「妹さんはもう中学生なの?
背丈はそのようだけど、ちょっと痩せ気味だね。」
チェリー、ますます恥ずかしいからお姉様の背中に隠れました。
チェリーのお人形さんのこと言ってるのかな?
おや、おかしいぞ。
いつものチェリー犬なら、こんなことで恥ずかしさなんか感じないはずなのに。
いや、いつもは「奴隷犬が恥ずかしがってはいけない」って自分に言い聞かせてたんだよね。
今日は特別・・。
チェリー、おばあさんの前では、胸と割れ目を両手で隠しちゃった。
それを見たお姉様から
「チェリー。今のお前、すごく可愛い・・。」
って反対に誉められちゃった。
すごく嬉しいよ。本当に嬉しい。涙が出そうだったよ。
チェリー、もう大丈夫だよ。
充電完了。いつでも出撃できるよ。
でも、出撃しても、ヒロ様のお話を良く思い出して行動するね。
心配掛けてごめんなさい。
ありがとう。
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