学校の大きな行事もひと段落。生徒会もちょっと暇になりました。
用事が無い人は早く帰ってね。
サブとチェアマンは、二人揃ってお帰りです。
あの二人は見ていてきれいだよ。
サブの目つきが心なしか家でのチェリーに似てきた気がする。
多分、チェアマンのためならサブは命を賭けるよ。
決して嫌じゃないな。他人でも美しいと思うよ。
チェリーはアルファとベータをお供に学校内を見回った後、生徒会室でウトウトしちゃった。
何か髪の毛が気持ち良いの。
二つに分けて結んでいるチェリーの髪の毛を解いて誰かが櫛削ってくれてる。
ああ、良い気持ち。この前、お姉様にしていただいたっけ・・。
半分寝ぼけてるチェリーの耳にベータの声が聞こえました。
「静かに・・、先に帰って・・。私が会長と帰るから。」
そうか、髪の毛梳てくれてるのベータなんだ。
気持ち良すぎて動けないよ・・。
何故ベータがこんな事してくれるの?
ベータの小さく囁く声が聞こえます。
「会長、会長、気持ちいいですか・・?
そのまま、お休みくださいね・・。
少しでもお休みくださいね・・。」
まるで、チェリーがお姉様に言うみたいだね。
チェリーは、まだ大切にされる価値は無いんだよ。
そうなろうとは思ってるけどね・・。
うん、努力するよ。まずお姉様のために。
それから、お父様、お母様、理子様、アズ様、ゆっこちゃん、摩耶様、
校長先生、交番所長さん、部活動の主将達、部長達・・皆のためにね。
ハッとして目が覚めました。
そうなんだ。お姉様もずっと努力してるんだ。チェリーのために。
チェリーを育てるとともに、ご自分も成長するように頑張ってらっしゃるんだ。
ベータがびっくりしてます。
「ごめんなさい。あの、会長の髪の毛がきれいだから、触りたくなっちゃて・・」
そうか、ベータから見たらチェリーもお姉様に見えるのか。
ベータ、ありがとう。気持ち良かったよ。すっかり寛げた。
頭を撫で撫でしてあげるね。
これからは、アルファ、ベータに色々教えてあげなくちゃ。
本物のお姉様には程遠いけど、真似事でもいいや。
妹や弟を育ててあげなくっちゃ。
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