昨夜一晩だけ、チェリーはお姉様の奴隷から、妹の桜子に還りました。
裸で正座するチェリーにお姉様が
「桜子ちゃん、お姉ちゃまとねんねしようね。」
って声を掛けてくださいました。
１０年前に戻って甘えましたよ。
お姉ちゃま、桜子怖かったよ。本当に怖かったよ。
お姉様の胸にすがりついて泣きながら寝ちゃったの。
今朝４時半に目が覚めた時は、すっかり元の元気なチェリーです。
幼い懐かしい思い出も一時の夢。
また、今日から成長しなくちゃ。
試験の成績発表は明日と思ってたら、今日の放課後にありました。
チェリー、やっちゃったよ。
８教科合計８００点満点で７７５点を叩きだしちゃった。
２位のサブに５１点の大差で圧勝しちゃった。
主要５教科は全部１００点でした。
生活科での料理の手順についての問題で、チェリーがいつも家で
やってる方法を書いたら、違ってて大きな失点しちゃったの。
発表があった時は、チェリー達は生徒会室。
近いうちにお巡りさんを呼んで、防犯教室しなくちゃね。
根回しはチェリーがするから、サブとチェアマンは具体的な部分を考えて。
そうだね、女子生徒が暴漢に襲われて、手や服を掴まれたのを護身術で離脱して、
近くを通りかかった男子生徒がそれを見つけて、女子生徒を助けると共に、警察
に通報するっていう内容の実演が良いかな。
それを２組するの。
演技者は心当たりがあるから。
ベータ、貴女に女子生徒役を頼める？
ＯＫ，じゃお願いね。
もう一人は誰かって？
私よ、私。
助ける男子生徒役の４人は、この前お茶会に強制招待したあいつらね。
あいつらのクラスの運動部員に、当日逃がさないように指示しといて。
新聞部長、良い写真が撮れるよ。
だめだ、サブ死んでるよ。目が虚ろ。
どＳチェリーの出番だね。
サブ、こっちにおいで。
「会長、僕の負けです・・。」
そうだね、再戦を待ってるよ。
ところで、今日は仕事できないね。
そんな顔を見せたら、皆の士気が落ちちゃうよ。
「いえ、僕は・・」
だめ、命令です。帰りなさい。
サブ、がっくり肩を落としちゃった。
後ろでチェアマンが怒ってる。
「そこまで言わなくても・・」って顔に書いてるよ。
だってチェリーはドＳだもん。
お前もいじめてやるから。
チェアマン、命令します。サブを自宅まで送り届けなさい。
チェアマン、何か言いたげだったけど、黙って一礼して
サブの肩に手を掛けて二人で出て行きました。
さあ、あの二人どうなるかな？
サブの能力はこんなもんじゃないはずだよ。
インドのバラモン教の思想の中に、
「男性原理（発展や行動）を起動させるのは
女性原理（保護や慈しみ）である」
って読んだことあるの。
チェアマンがサブをまた燃え上がらせてほしいな。
そうだ、チェリーもお姉様からご褒美頂くんだったよ。
早くお帰り下さーい。
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