お姉様、感染症じゃなかったよ。
扁桃腺炎と胃腸炎だって。
お医者様で点滴打っていただき大分治まったみたい。
チェリー、学校休んで、ずっとお姉様の看病させていただきたかったの。
そうしたら、お姉様からすーごく叱られました。
「私の奴隷たる者が、私の病気が気になって、やるべき職務を放棄するとは何事だ。」
「私の事を気にするのは良いよ。しかし、気につつも任務は完ぺきに果たせ。」
看護師さんが何人もいる病室で、大声で言われちゃいました。
チェリー、キャインキャイン。ご主人様に叱られた子犬状態。
涙を堪えながら病院を出て学校に行きました。
お姉様のおっしゃる事はもっともです。
お姉様のお身体が悪いからって、何も手に着かない子にお姉様の奴隷の資格はないよね。
チェリー、分かってるの。分かってるけど授業中に涙が出てくるの。
お姉様、苦しくないですか?吐き気は大丈夫ですか?
チェリーが具合悪くなれば良かったのに。
放課後の生徒会でも意識が飛んでました。
新聞部部長が喚いてる。交番訪問に連れて行かなかったから。
チェリー、何か答えてるんだけど自分が何を言ってるか、自分で分かってない。
いつの間にか、交番のお巡りさんを学校に呼んで防犯講話してもらおうって事になってる。
いいや、どうにかするさ。
とにかく早く帰りたいのよ。
お姉様のお顔を見たいの。
やっと終わって、お姉様がいる病院に走りこみました。
案内でお姉様の病室を聞くや、エレベーターじゃまどろっこしくて階段を4階まで駆け上がりました。
4人部屋だ。ここにお姉様がいらっしゃる。
扉を開けるや、奥のベッドに寝ておられるお姉様を発見。
起きておられる。点滴もしてない。顔色も良いみたい。
飛びついちゃいました。
お姉様、お姉様、いかがですか?もう、大丈夫なんですか?
お姉様、一瞬笑いかけてくださったけど、すぐ怖い顔。
「チェリー、病院だよ。静かに。」
「他の方に御挨拶しないか。悪い子だ。」
良かった。いつものお姉様のお声だ。
はい、お姉様。チェリーが悪うございました。
皆さん、お騒がせして申し訳ありません。
姉がお世話になっています。ありがとうございます。
同室のおばあさん、驚いた声で言いました。
「これはまた、しっかりした躾けをするお姉さんだね。」
「妹がご迷惑をおかけしました。」
「いえいえ、お姉さん思いの可愛い妹さんだね。」
チェリー、嬉しさと恥ずかしさで、お顔真っ赤。
お姉様は、明日の朝、先生の診察の後、退院できるそうです。
本当に良かったです。
帰りに、ナースステーションの看護師さんに聞かれました。
「朝、お姉さんが、私の奴隷とか言ってたけど、どうゆう事?」
どういう事って聞かれても、「その通りです」としか言いようがないんですが・・。
とにかく良かったです。
今晩の勉強は捗るぞー。
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