先生に聞きました。お姉様が生徒会長の時はイジメがなかったそうですね。
いじめられる子を全部お世話するのって大変だったでしょう・・。
「ほとんど、してないね。」
え、でもイジメは無かったって先生が・・・。
「イジメは無かったと思うよ。私が怖がられてたから。」
「イジメをすれば私が裁判官の人民裁判だよ。集まった生徒から容赦なく罵倒されたね。」
つまり力で押さえていたっていうことですか?
「簡単に言えばそうだよ。」
それでお姉様が卒業されたら、またいじめが・・。
「しかたないよ。イジメの全ての原因を知り、対策をするが理想だろうが私じゃ無理だった。」
根本的解決じゃなかったんですね。
「チェリー、バルカン半島にユーゴスラビアという国があったのを知ってる?」
はい、大きな民族間の紛争が起こって、ボスニアとかマケドニアとかに別れたんですよね。
「第二次大戦後にチト―と言うソ連共産党にも反抗を続けたカリスマが、多民族をまとめて平和に運営してたんだ。」
「でも、チト―が死んだら、戦争前と同じ民族紛争で大勢が死んだわけさ。」
カリスマの力では、争いの根本的解決はできなかったんですね。
「そうだね。確かにそうだ。
でもチト―が強い力で集団を率いている間は、国民は戦争で殺されることはなかったんだよ。」
現実が大切なんでしょうか。理想は違うような気がするんですが・・?
「チェリー。生徒は皆、理想論をばかりで何もしてくれないリーダーはいらないんだ。」
「それに、生徒会長はいじめられてる子だけのためじゃない。生徒全体に奉仕しなくちゃならない立場だ。
いじめられてる一人を救うために、他の生徒を犠牲にはできないんだよ。」
そうでしたね。理想論や目先の問題解決ばかり気を取られてはいけないんですね。
「問題がどれだけあり、現実的解決にどれだけ力を配分するか重要だよ。」
「自分の力量を考えてごらん。独力でイジメ問題と今度の鍛練合宿で発生する問題を解決できるかい?」
無理です。チェリー一人じゃとっても無理。
「だから味方を増やしな。学校だけじゃない。親衛隊も貴重な戦力だよ。」
だから、お姉様は親衛隊の皆さんを大切にするんですね。
昨日の女の子達も、やがてはチェリーを助けてくれるんでしょうか?
そうだ、チェリーの戦力ってことは、お姉様の戦力でもあるんですよね。
うん、チェリーと一緒に考えて動いてくれる人を、もっと集めなくちゃ。
誰でも良いや。0はいくら足しても0だよね。
たとえ0,1の戦力でも、集まればお姉様の財産だよ。
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