それ以来、私は家に閉じ籠った。
知里ちゃんもそれ以来メールもしてこなくなった。
私は両親に「いじめに逢ってるから」と丁度、父親の単身赴任も決まっていた事もあって、転校を願い出て知里ちゃんの事も忘れようと思った。
髪を切られたり制服をビリビリにされたのを親もみていたので、快承した。
新転地で本来の自分を取り戻しつつ、父とゆっくり暮らした。
そして、優しく大きな父親の背中を見て「きっと、私もこんな背中を好きになるんだろうなぁ」
なんとなく、そう思うと途端にしまいこんだ気持ちが沸々と沸騰しはじめる。
知里ちゃん…
知里ちゃん、元気にわらってるかなぁ…
瞼がジンジンあつくなって、しだいに涙になって溢れはじめると堰をきったように抑えこんだ感情が、一気に溢れ出した。
涙で滲む視界を袖で拭いてはメールを打つ
「知里ちゃん!大好き!会いたい!今すぐに会いたい!」
すぐに返信がきた
「嫌われたとおもってた。私も好き!あの時のまま!!大好き!まってる!!」
メールを見ながら、私は走り出していました。
バス停に立ち、僅か15分が待ち遠しかった。
知里ちゃんの笑顔。
知里ちゃんの泣き顔。
小さい時の知里ちゃん。
知里ちゃんの多くを知ってる。
あの部長なんかに負けない。負けてない。
そう思うと勇気が出た。
バスに乗り、電車に乗って懐かしい駅に降り立った。
向こうから、知里ちゃんが走り寄ってきた。
一目も憚らず、知里と抱き合いながら、大声で駅の真ん中で泣いた。
この日も知里ちゃんの両親は不在で…。
前より知里ちゃんのキスが馴れた感じだった。
知里ちゃんは「ごめん。嫌だった?」
私は、当然だと思った。
部長に相手させられていたのは知っていた。
同級生だった子が、たまにお節介メールをしてきていたから。
駅で抱き合って泣いた知里ちゃんを信じていた。
それは、お互いキスを交わし裸で抱き締めあえば、直ぐにわかった。
お互い、本当に愛してる相手なんだもの。
感情が昂って、ずっとそんな感じでキスしながら抱き締めあっては泣いての繰返し。
急に知里ちゃんがクルンって私の上にのって
「いいよね…嫌じゃないヨネ?」
私は、女の子は勿論、男の子とだってしたこともない。
キスは知里ちゃんしか知らない。
コクンと頷くと
知里ちゃんは細い声で
「好き」ずっと言ってくれた。
首や鎖骨を知里ちゃんがキスする度にゾクゾクする。知里ちゃんの手が胸をさわり、優しく揉まれ、乳首を指の腹で優しく擦られると仰向けの腰が自然と浮き、仰け反ってしまう。
私も知里ちゃんの柔らかい胸を知里ちゃんと同じようにする。
知里ちゃんは、大人のように声をだして私の上でぐにゃぐにゃ蠢いて喘いだ。
切なさと嬉しさが同居してる感じ。
やがて大事な所を擦られるとジンジンしはじめて汗がではじめて、何かにつかまっていないとどうにかなっちゃいそうで。
いつの間にか知里ちゃんの背中に爪まで立てて抱きついていました。
それが終わると全身がぶるぶるしてて、ちょっと触られただけで、それが脳まで伝染する。
そんな私を抱き締めて知里ちゃんは、ずっと
「大好き」そう呟いてくれていた。
わたしも「知里ちゃん。わたしも大好き」
結局、朝までに同じような事を何度も繰り返して、二人して目の下にくまをつくって学校をサボって隣町の海に行った。
何時間も知里ちゃんと手を繋いで、はしゃいで、幸せだった。
知里ちゃんが「ねえ?一緒に死んでくれる?」
知里ちゃんが一緒なら恐くないと思った。
「うん。」
私と知里ちゃんは崖の上の飛び出た展望台。
抱き締めあってキスしながら、はらっと涙を溢して下に広がる海原に飲み込まれていった。
2人の遺体は、永遠に見つからず。
知里の親が知里のベットに微かな睦事をみつけただけで。
2人の両親が顔を合わせた時。
はじめて愛として他人の認識を得る事になった。
「知里ちゃんも優美ちゃんも…お母さん達をゆるしてね…気づいてやれなくて…」
2人の遺影は、笑ってるような幸せそうだった。
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